「日本女性の生産性の低さ」には原因がある

「育児支援」を主体にする日本企業のナゾ

日本の働く「女性の生産性」について考えます(写真:saki / PIXTA)
1月6日、東洋経済オンラインでは「なぜ日本は『女性の生産性』が極端に低いのか」と題する、デービッド・アトキンソン氏の記事を掲載。大きな反響がありました。
15年以上、女性と労働の問題を取材・執筆してきた治部れんげ氏も「本質を突く問題提起」と指摘します。この記事では、治部氏が日本女性の労働の内実について迫ります。

 

最初に、アトキンソン氏が提起した、日本女性が潜在能力を生かせずにいる問題について、私自身の経験をお伝えします。

それもこれも、環境により作られるもの

大学を卒業した20年前、希望する出版業界で記者の仕事についたものの、私はあまりやる気のある社員ではありませんでした。自分は能力が低いから、すぐクビになると思っていました。買ってもいないのに、宝くじが当たったら、夏休み明けに出社しなくていいのに、と夢想するようなダメ社員でした。

それなのに20年近くも、子どもを2人持った後も転職や独立を経験しながら働き続けているのは、出産前に仕事の面白さを十二分に味わったからです。最初のうち、私の能力に照らして仕事は大変でした。男性の同期と同じ難度のアサインメントがあり、同じように出張し、原稿の出来が悪ければ、同じように夜遅くまで残って書き直しました。

今、私が仕事を続けているのは、私が「女だから」と手加減しなかった上司たちのおかげです。女か男かではなく、私の仕事の出来不出来によって、褒めたりしかったりしてくれた先輩たちのおかげだと思っています。そして、彼らのうち何人かに妊娠の報告をすると、決まって「おめでとう」の後に「いつから休んでいつ復帰するか」と尋ねてくれました。妊娠中、体調が悪くてしばらく仕事を休んでいたら「やっぱり、あなたに担当してほしいから、待ってるよ」と言ってくれた人もいます。

グダグダな新人だった私が出産育児をしながら当たり前に働いているのは、私が働き続けることを「当たり前」と考える人に囲まれていたからです。仕事のモチベーションも、難しい仕事に向かう覚悟も、環境により作られるもの、だと私は思っています。

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