「在宅勤務」はむしろ従業員に厳しい制度だ 使う側には「覚悟」も必要になる

✎ 1〜 ✎ 58 ✎ 59 ✎ 60 ✎ 最新
拡大
縮小
一見、夢のように思える在宅勤務ですが…(写真:Graphs / PIXTA)
結婚・出産で大きく変化する女子の人生は、右にも左にも選択肢だらけ。20代はもちろん、30代になっても迷いは増すばかり。いったいどの道を選べば幸せに近づけるのか? 元リクルート“最強の母”堂薗稚子さんがお答えします。
※お悩み相談はこちらのアドレス(onnaーsodan@toyokeizai.co.jp)まで

 

【ご相談】
2歳の子どもがいるワーキングマザーです。最近、私の勤務する会社でも「在宅勤務制度」が導入されることになりました。ところが、一定の職級以上になっていないと制度が使えないようなのです。通常は入社10年以上の社員しか、その職級にはなれません。20代の私には、全く使えない権利のようでがっかりです。
「育児支援の強化」などと言いながら、何がしたいんだろうと不信感が募ります。新しい働き方として、もっと大々的に広がっていくべきだと思いますし、ワーキングマザーにとっては必要な働き方だと思っています。会社は何を恐れているのでしょうか。

成功しそうな人から導入するのは、ある意味当然

この連載の記事一覧はこちら

ここのところ、育児や介護など、働く時間や場所に制約のある社員に向けて、在宅勤務制度を導入する企業が増えているようですね。さらには、知名度の高い企業が、制約のない社員にもこの働き方を導入する、といった報道もよく目にするようになりました。

あなたの勤める会社でも、この流れに乗って、まずは部分的に導入を始めた、ということでしょう。「在宅勤務のメリット・デメリット」といったキーワードで検索すれば、関連する記事はたくさん出てきます。あなたの会社で、限定的に制度が導入された意図は、少し勉強すれば「なんとなく」はすぐにつかめるのではないかと思いますよ。また、上司や人事に、意図を確認してみたり、今後の拡大計画について問い合わせてみるのもよいと思います。

憶測でしかありませんが、試験的に導入する場合、「成功しそうな」社員に対して限定的に始めてみて、そこから効果検証する、というパターンもよくありますから、段階的にしろ、拡大前提である可能性も高いように感じます。「私には使えないじゃん!」と憤慨する気持ちもがっかりする気持ちも、よくわかりますが、冷静に色々と調べたり、確認したりして、事実をつかむようにした方が、今後の自分の対応が決めやすくなるのではないでしょうか。

私がリクルートに勤めていた頃も、在宅勤務制度がありました。今や全社員が対象で導入されている事業会社・関連会社もありますし、先進的な働き方の導入ケースとして注目もされています。でも、私が勤務していた数年前は、まだまだ「恐る恐る」といった感じで導入されていて、取得できる社員も限定的でした。

次ページメリットもあるが、難しさも・・・
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT