仕組みとしては2枚の振動板(サウンドボード)を挟むようにスピーカードライバーがあり、振動板の間が空洞になっています。この振動板がとても重要なのです。構造的には、アコースティックギターやヴァイオリンによく似ていますね。
たとえばギターの弦をはじくと、ギター内部で共鳴した音が外側の共鳴板を通じて外に響く、この仕組みと同じです。振動を発生するドライバーユニットが2枚の振動板を震わせて中の空洞部分で共鳴して外に伝わるのですが、その際クッション内側のフォーム素材も音を増幅させるのに役立っているのです。通常フォーム素材などは吸音材などに使われていて、音を吸収してしまうのでよくないと思われがちです。「HUMU」でも多少の音の損失はありますが、サウンドボードを包んでいるフォーム自体が振動と共に音を伝えるところが革新的です。
通常の常識では考えにくいのですが、素材を厳選し、何度も繰り返し実験を重ねることによって実現することができました。これによって、周波数の低い音が振動を通じて放射されるのです。
低音を振動として体全体で感じることができる
――どのような音楽に向いているとお考えですか。
基本的には全ジャンルで楽しむことができると考えていますが、個人的に気に入っているのはクラシックギターとの組み合わせですね。まるで自分がギターを弾いているような感覚を味わえるのです。
バッハでもフラメンコでもOKです。先程申し上げたように、「HUMU」の構造自体がギターに似ていることもその背景にあるのかもしれません。まったく別のジャンルですが、テクノやハウス、トランスなどのEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)など、特に低音が効いている曲にも合うと思います。テクノなどを「HUMU」で聴くと、まるで自分がクラブの中にいるような気分になります。
何よりいいのは、大音量で聴く必要がないため、耳にとても優しいということですね。通常クラブなどでは25Hz以下の低音を大音量で流しますが、「HUMU」ではもっとずっと高い音も含めて、低音を振動として体全体で感じることができるのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら