日本の女子高生は未来技術を先取りしていた

英エコノミスト誌が「2050年の技術」を予測

2000年代初頭のシリコンバレーは、ガラケーを使いこなす日本の女子高生に注目していた(写真:Fast&Slow / PIXTA)
自動運転車によって、都市の車両数は90%減少する。人間の脳はインターネットに接続され、図書館やスーパーコンピュータと直接つながるが、同時にウイルスやマルウエアまで一緒に取り込んでしまう――。
英『エコノミスト』編集部による新刊『2050年の技術 英『エコノミスト』誌は予測する』では、こうした驚くべき未来の世界が次々と予想されている。世界200カ国以上で愛読され、グローバルエリートから厚い信頼を得ている同誌は今回、テクノロジーに焦点をあてた。そして、AI、自動車、バイオ、農業、医療、エネルギー、軍事、VRなど、各分野が2050年までにどこまで進歩するのか、それによって私たちの生活がどう変わるのかを徹底予測している。
1962年、特集「Consider Japan」において、日本が米国に並ぶ経済大国となることをいち早く予測するなど、確かな取材と深い洞察に基づく未来予測に定評のある英『エコノミスト』誌。本書の冒頭では、彼らがいかにして未来を予測しているのか、その手法が初めて詳細に語られている。その全文を掲載する。

過去から見えるもの

未来を予測するためのツールは3つあるが、歴史を振り返るのはそのうちの1つだ。少なくとも、過去を学ぶことによって質の高い予測が可能になる。

年単位、数十年単位、あるいは数百年単位で時をさかのぼり、過去の事例を見ていくと多くを学ぶことができる。新たな発明の社会的・文化的影響を予測したり、新しい技術に対する熱狂や懐疑論を客観的に見られるようになる。また、テクノロジーがどのように進歩していくかの手掛かりを得ることもできる。

そして、新たなテクノロジーが引き起こしたとされる問題が、往々にして人間の性(さが)によるものであることを再認識することもある。たとえば、ナポレオン時代に作られた機械式電報システムでも、今日われわれが「サイバー犯罪」と呼ぶような問題が発生していた。「犯罪者ほど科学の最新の成果を積極的かつ迅速に取り入れる集団はない、というのは周知の事実である」という言葉は、今日耳にしてもまるで違和感はないが、実際には1888年のシカゴの警察官の発言である。

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