「ストラディヴァリウス」が12億円もする必然 取引価格は10年前の倍以上に高騰している

✎ 1〜 ✎ 29 ✎ 30 ✎ 31 ✎ 最新
拡大
縮小
6月16日、スイス・ジュネーブの国連欧州本部でストラディヴァリウスを一堂に集めたコンサートが行われた。左端は諏訪内晶子さん(写真:共同通信)

高級ヴァイオリンの代名詞としてその名を知られるイタリアの名器ストラディヴァリウスの価格が近年大幅にアップしていることをご存じだろうか。一説によれば取引価格は10年前の倍以上。楽器の状態によって違いはあるにせよ、1挺あたり12億円以上で売買されているというのだからすさまじい。

この連載の一覧はこちら

いったい何が理由でこの高値がつくのだろう。ほかのヴァイオリンとの違いはどこにあるのだろうか。今回は、クラシック史上最高のブランドであるストラディヴァリウスの魅力を追ってみた。

ちなみにストラディヴァリウス(ストラディヴァリ作といった意味)という呼称は日本独自のもので、海外ではストラディヴァリ、またはストラドと呼ばれることが多いようだ。

完全無欠な状態でこの世に登場した

まずは、ヴァイオリンの歴史をひもといてみたい。その発祥については、1510年以降ミケランジェロが活躍していた時代の北イタリアで誕生したという説が有力だが、確かなことはわかっていないようだ。

こつ然と完成品がこの世に姿を表したと言われているヴァイオリン(写真:日本ヴァイオリン)

興味深いのは、“ヴァイオリンは生まれながらにして完全無欠な形でこの世に登場した”という説。ほかの楽器と違って手本となる原型が存在せず、こつ然と完成品がこの世に姿を表したと言われているのだから不思議だ。

そのこつ然と現れた楽器を作り上げ、現代につながるヴァイオリンの構造と機能を確立した始祖と言われる人物が、ミラノ近郊の小さな町クレモナの名工アンドレア・アマティ(推定1505-1578)だ。1566年に彼が制作してシャルル9世に献上したヴァイオリンは、まさに現在のヴァイオリンとほぼ同じ姿だったというのだから驚く。

次ページなぜストラディヴァリウスだけが特別視されるのか
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
【田内学×白川尚史】借金は悪いもの?金融の本質を突く教育とは
【田内学×白川尚史】借金は悪いもの?金融の本質を突く教育とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT