(第11回)自分ロングテールを活用せよ(その2)

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内田隆

 前回は自分ロングテールを活かしきることがWeb3.0時代に大切なこと、そこから得られるメリット、最後に3種類の自分ロングテール法「1.取り替える、2.取り込む、3.際立てる」を紹介しました。
 自分ロングテールを活かすには自分が現在持っている資産の棚卸とこれから手に入れたい目標資産を知ることが必要です。ここでいう資産とは預貯金や株式などの金融資産のことではなく、あなた自身の仕事力資産、人脈資産、ライフ資産のことです。今回は最初のふたつの自分ロングテール資産と実例を紹介したいと思います。

(1)仕事力資産

 仕事力資産を知るためにまず最初にすることは、これまでの仕事を振り返り自分の経験やスキルや知識は何か、箇条書きで構わないのでノートに書き出してみることです。これまで頑張ってきた人ほど何十もの経験や知識が書き出されるでしょう。
  次に、そのうち現在休眠中の資産は何か、またこれから手に入れたい、高めたい資産は何かを考えてください。キャリアからの仕事力資産の洗い出しという作業を行なえば、それがそのままレジュメ(職務経歴書)を書く作業に繋がります。
  ちなみに、レジュメは転職する際に最も重要な書類ですが、成功する転職者ほど実は転職活動を行なう前からレジュメを作成している人が多いのも事実です。自分ロングテールを洗い出す作業の副産物としてレジュメも作成してしまうことをお勧めします。

(2)人脈資産

 一般的にビジネスパーソンが出会った人のうち普段の仕事で利用している人脈は、わずか5~10パーセント程度だそうです。つまり実に限られた人とだけ仕事をしているということです。しかしながら、眠っている大抵の人脈−それはあなたの大切な資産です−をどう活性化させるかが重要です。
  20年前に読んだ本に「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」という本があります。そのなかで仕事で出会った新しい人との人脈の大切さを述べ、そして人脈を永続させるコツを次のように紹介しています。
 「好ましい友好関係を結ぶためには、あるいは維持するためには、手を差し延べること、時間、思い遣りや気配り、月に一度は電話すること、二ヶ月に一度ぐらいは昼食を共にすること、などが必要である。あまり間隔を置きすぎないように」
 (キングスレイ・ウォード著/城山三郎訳「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」(新潮文庫))
 いまならメールという簡単な手段もありますし、オフィスソフトなどを使えば別部門に移ってしまった同僚のスケジュールを確認できることもあります。いつも同じ人とランチをして同じような会話をして時間を消費するのでなく、あなたの大切な人脈を再活性させるために、あなたからメールを出したり、食事に誘ったりしてみてはどうでしょうか。その気遣いや心配りがいつかきっと返ってくるものです。
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