次は、残っただし殻昆布です。これも沖縄のように食材として使えば③の問題もおのずと解決します。昆布水同様、栄養素が多く含まれ、健康にいい食材です。最初から刻んであるので、そのままオリーブオイル漬け、しょうゆ漬け、甘酢漬けにして食べることができます。
なお、だし殻昆布という名前はいかにも残り物という感じなので、知り合いの編集者と相談して「名残り昆布」という呼び名にしました。これで一層おいしく感じられます。
従来の昆布は、湯だしすると沸騰直前まで見ておかねばならず、また日持ちもしませんでした。さらにだしを取った後の昆布はぬるぬるして刻みにくく、扱いにくい代物でした。それらの問題を一気に解決するのが、1mm幅の刻み昆布です。
「昆布革命 上方仕立て」と名付けて10gのパックにして発売しました。商品名に、従来とまったく違う“新しい昆布誕生”の気持ちを込めています。常温の水1ℓに1パックの「昆布革命」を入れて、冷蔵庫で3時間置くだけ。うま味のよく出た「昆布水」が実に簡単に出来上がります。
万能の天然調味料
筆者はそんなに料理に詳しくないのですが、この「昆布水」、言ってみればお水感覚で、いろいろな料理に使えそうです。実際、喜多條社長が書かれた昆布水のレシピ本がこの9月末に発売されましたが、和食、イタリアン、フレンチ、中華などのおいしそうなレシピが春夏秋冬に分けて数多く掲載されています(『大阪天神橋昆布問屋の昆布水レシピ 増補・改訂版』KADOKAWA刊)。
この本だけで80品目ですが、実は喜多條社長、すでに昆布にまつわる本を7冊も出版していて、レシピもその数300を超えるそうです。まさに、万能の天然調味料。②の「和食を家では作らない」ので昆布を使わない、という問題も、昆布水をすべての料理に使ってもらえれば解決です。
昆布は、低カロリー、低脂肪でかみ応えがあるので、ダイエット食品としても好適。食物繊維が腸内環境を整えて、便秘も解消します。さらに「UMAMI」が塩分の代役を果たして、高血圧、脳梗塞、心筋梗塞の予防効果もあります(早稲田大学規範科学総合研究所ヘルスフード科学部門研究院・矢澤一良教授の監修による)。まさに昆布は、喜多條社長自ら身をもってその改善効果を体験された、日本の誇る健康食材なのです。
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