米ぬか靴下をご存じでしょうか。その名も「歩くぬか袋」といいます。
米ぬかといえば、玄米を白米に精製するときに出る皮や胚の部分。普通はそのまま廃棄します。時々、米ぬかを化粧品にしてお肌をつるつるにするのに使う、というのは聞いたことがあります。
でもそれを靴下にするとはどういうことでしょうか。そもそも、なぜ靴下なのでしょうか。
「もったいない」の気持ちから米ぬかパワーの活用へ
米ぬか靴下を製造販売しているのは、奈良県三宅町の「鈴木靴下」です。ここの鈴木和夫社長が考えたので、必然的に商品は靴下になりました。
奈良県はもともと国内生産量トップの靴下の一大産地です。しかし近年、中国や東南アジアからの安価な輸入品に押され、2000年には300社を超えていた奈良県靴下工業協同組合の会員数は今や半分になりました。そんな中、もともと子ども用靴下を生産していた鈴木靴下は、サッカー選手用靴下に切り替えて生き残りを図ります。
今や、サッカー用ソックスの受託生産で国内シェアの約2割を占めるまでになりました。1993年のFIFAワールドカップ・アジア予選、また1998年のフランス大会で、サッカー日本代表チームの着用したストッキングは、OEM(相手先ブランドによる生産)で同社が製造しました。また現在も、Jリーグなど多くのクラブチームのストッキングをOEMで生産しています。
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