「だし」の取り方と活用法を知っていますか 「和食に使うもの」は単なる固定観念だ

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昆布だしやかつおだしは、和食に限らず幅広く使えます(写真: Shinsuke Kojima)

「うまみ成分って何だ?」という英語スレッドが立ち上がるなど、世界で注目を集めている日本のだし文化。『だし生活、はじめました。』の著者、梅津有希子が誰でも真似できるだし生活のコツを教える。

大事なのは、昆布の選び方

当記事は「GQ JAPAN」(コンデナスト・ジャパン)の提供記事です

「だしをとるのって面倒じゃないの?」「だしって、むずかしそう」と、よくいわれる。「忙しいから無理」という人も多い。しかし、昆布もかつお節も、だしをとるのは簡単だ。料理研究家でないわたしでも、実体験から断言できる。わが家のだしとり法は驚くほど簡単だ。

まずは昆布だし。麦茶ポットに10グラムの昆布を入れ、1リットルの水を注ぎ、冷蔵庫に入れておくだけ。水質の関係で、関西なら一晩でOKだが、関東以北の場合はできれば二晩漬けたほうがよりしっかりとしただしが出る。

大事なのは、昆布の選び方。選び方といっても、むずかしいことは何もない。パッケージを見て、「真昆布」と書いてあるものを選ぶだけだ。真昆布を知ったのは、「分とく山」の野﨑洋光料理長によるだしとり教室がきっかけだった。野﨑氏に昆布の選び方をたずねたところ、「店で使っているのは、南茅部産の真昆布です」との返答が。しかも、わたしの実家がある札幌の真昆布専門店「佐吉屋」から仕入れているという。帰省した際にさっそく行ってみた。あの「分とく山」が使っている昆布なのだから、さぞすごい昆布に違いない。

店主の佐々木惇さんは、上質な真昆布が獲れる南茅部町(現・函館市)育ち。「故郷の南茅部産真昆布は、朝廷や将軍家に上納されていたことから『献上昆布』とも呼ばれています。こんな素晴らしい昆布が全国的に知られていないことが悔しくて一念発起し、真昆布にこだわったお店を作りました」(佐々木氏)。

現在スーパーで見かける昆布は、日高産が最多。利尻、羅臼、真昆布と続く。昆布初心者のわたしには、見た目だけでは違いはわからなかった。そこで、「水1リットルに昆布10gを入れ、一晩漬けておく」という同じ条件でだしをとり、自己流で利きだしをしてみた。素人の自分に昆布の味の違いなんてわかるのだろうかと思ったら、4種飲み比べてみると、はっきりとわかった。

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