安藤美姫が語る「女が逆境を生き抜く方法」 安藤美姫×石本めぐみ対談

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石本:そうそう、女の人が家にいてもいいし、いなくてもいいんですよね。

安藤:それは人それぞれの選択ですよね。石本さんたちの活動で、もっともっと女の人たちが、自由に自分の人生を選択できる、そんな空気ができてほしいな。もっとお母さんが、女の人が、生きやすい社会になるといいのになあ……。ちょうど私自身がそんな立場に立たされたから、余計に強く思うんですが。

石本:人と違うことをすること、道を切り開いていくこと。すごく非難されることもあるし、いろいろな思いを経験しますよね。

安藤:私はそんな中で、今、生きてます(笑)。

石本:もっと風通しのいい社会を作りたいですよね。今の日本の風通し、悪すぎるから(笑)。「みんな同じじゃなきゃダメ!」と。

安藤:自分と意見の違う人のことを、「それはおかしい」と最初から決めつけて接しようとするからかな……。

石本:そうなんです。最初から対話を拒否してしまって、違う意見を交わそうとしない。

安藤:ちゃんと話をして、それでもダメならあきらめがつきます。でも、最初からその場を作ろうとしない。話をする前に、自分とは考え方が違うから、意見が違うから、って否定してしまうんですよ。

石本:いろいろな違う意見を持った人が集まったほうが、絶対いいものができるのにね。お互いの意見を言い合うことは、すごく難しいけれど……。

安藤:ぶつかり合うのは、大変です。リスキーでもある。でもたとえばアイスショーを作る、なんて過程でも、みんなでぶつかるのも楽しいし、話をすれば最後はきっといいものができると思う!

石本:そうです。私たちもウィメンズアイの活動方針などを決めるとき、違う意見、反対意見をどんどん出してほしい、とメンバーに言います。みんなが同じ意見なのは、逆に危険だ、と思うから。「ごめんね、これは言わせて!」「どんどん言って。あなたの意見がここではすごく重要なんだから!」って。

時にはマイナスを言い合うことも必要

安藤:ウィメンズアイさんは被災地で、「シングルマザーの会」なども、主催してらっしゃるんですね。

石本:はい、今年の6月から始めたんですが……。最初のうちは、会の存在が気になっているようなのに参加してくれない人も多かったんです。それがやっと、賛同してくれる人が増えてきたところかな。

安藤:(「シングルマザーの会」のチラシを見ながら)「時にはマイナスのことも言い合おう」――これは、わかる!育児をしていると、なかなか「ここが苦しい」ってマイナスのことを言わないようにしがちですから。つらいと感じていても、人前ではニコニコしながら「こんにちは!」って平気な顔をしてしまう(笑)。

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