安藤美姫が語る「女が逆境を生き抜く方法」 安藤美姫×石本めぐみ対談
安藤:日本の女性は我慢強いですからね。でも東北が、そこまで大変だとは思ってなかったな。支援活動をする時、そこまで考えていかなければいけないんだな……。
「男性社会」――アスリートをしていても、時々、感じることがあります。たとえば女性特有の体調の悪さで、腰が痛いとかおなかが痛いとか……なかなか日本では、そんな話をしにくい。でも私が初めてアメリカに練習に行った頃、女性のアシスタントコーチが、「それは自然なことなんだから、恥ずかしがらずにどんどん言っていいんだよ」と話してくれたんです。
海外に行くと、女性の立場も違うんだなあ、って強く感じたし、そういえばアメリカのボランティア団体でも、トップに立つ人は男性より女性のほうが多かったな。
安藤:あれは19歳の頃……最初は英語もできなかったけれど、あのころから私も少し、自分の視野を広げられました。もちろん外に出ることで、日本のいいところも再認識したけれど、ここを変えたらもっとよくなるのに! ってこともたくさん感じて。自分は女性だから、女性の立場がほかの国とこんなにも違うってこと、特に強く疑問に思ったんですよ。
石本:私も19歳の頃、カナダのバンクーバーに3年くらい住んでいたんです。
安藤:バンクーバー!
石本:はい、ロブソンストリートのフェラガモで、靴を売っていました(笑)。若いときに異文化に接すると、いろいろなことがショックだったけれど、いろいろな考え方があるんだなって、だんだんわかってくるんですよね。
安藤:ああ、納得しました! 石本さん、なんだか日本人なのに、雰囲気やスタイルが違うから(笑)。行動力が日本の人じゃないな、って!
石本:そう言っていただけると(笑)。
安藤:私には、そんな方たちの力で、これから日本の女性の道がどんどん開けていくんじゃないか……そんな期待があるんです。石本さんのように元気でパワーがあって、思いついたらパッと行動に移してくれる人がいると、まわりの人もいろいろなことがやりやすいと思う。安心して、みんなで集まって、リーダーについて行ける。そんなエネルギーが、ウィメンズアイの活動には働いたのかな。だから東北で、石本さんと出会えた方は幸せなんだろうな、と思いました。
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