安藤美姫が語る「女が逆境を生き抜く方法」

安藤美姫×石本めぐみ対談

安藤:それはシングルマザーに限らないことですが、特に「あそこは母子家庭だから」って言われちゃうんじゃないかって、我慢してしまうとか……。この気持ちは、わかるな。でも、マイナスの言葉を吐き出す場も必要ですよね。ストレスがどんどんたまって外に出られなくなってしまうようだと、子どもにも影響してしまうし……。

石本:そう、まだまだ、「自分がシングルマザーだということを、人に言っていいのかどうかもわからない」と悩んでいる人もいます。そんなこともあって、当事者同士が集まるからこそ、ぶっちゃけで話ができる、そんな場を作ろうと思ったんです。

集まって、話し合って、ストレス解消もできるし、お互いに助け合っていける。これからはシングルマザーに限らず、いろいろな課題ごと、持っているテーマごとに、助け合える場がもっとできるといいかな、と思っているところです。

安藤:シングルマザーに限らないですが、お母さんって、ちょっとひとりで遊びに行く、なんてこともしにくいですよね。私も週末、先生や練習仲間たちと飲みに行くことがあります。

コーチの先生方にも、子どもがいるお母さんは多い。でも私や先生方の1カ月に1度の楽しみさえも、「飲みに行ってるよ。子どもがいるのに」って言われてしまう! そうなると、私が遊びに行ったら御近所の人に何を言われちゃうんだろう? なんて、どんどん不安な気持ちになってしまったり……。

石本:ありますね。シングルマザーの会で、みんなで何をしたいですか? って聞いたら、「飲みに行きたい」「カラオケに行きたい!」と、ごく普通のことこそしたい、って声が出ました。後ろ指さされちゃうから、子どもができてから一度も飲みに行っていない、というお母さんもいる……。だからこの会では、母子そろってのお泊まり会もするんですよ。子どもたちは私たちスタッフと遊んでいるから、お母さんたちには飲みながら心おきなく話をしてもらおう、と。

安藤:それは子どもたちにとってもいいですね。お母さんたちが出掛けている間、子どもは子どもで仲間ができるし! 

ほんとうは子どもを連れて、どこにでも遊びに行ける、飲みに行ける、そんな環境があってもいいと思うんですよ。外に出たいお母さんたちは、行ける所ならばどこへでも、子どもを連れて行ってあげたらいい。私も娘をこのまま隠すことなく、もっとあちこちへ、もっとどこへでも連れていきたいな、と思ったから、自分から「出産しました。母になりました」って発表をしたんです。娘にはもっともっと、いろいろなものを見せてあげたかったから。

石本:そんな思いでスケートも、お母さんとしても頑張っている美姫さんの姿に、勇気づけられる女性たちはたくさんいると思いますよ! 表には出てこないけれど、同じ思いをしている人、同じことを考えている人たちは、たくさんいるから。

安藤:私はスケートしかしてこなかったから、たぶんもう、普通に就職もできません(笑)。スケートばかりで、世の中の常識もわかっていないことが多いかもしれない。まだ25歳ですし、できることも本当に少ない。でも、スケートを通して何かに出会えたり、ボランティアをするチャンスをいただいて、石巻の子どもたちに出会えたりもしたんです。小さいことかもしれないけれど、それができるのは、私にスケートがあったから。だから今は自信を持って、スケーターとしての自分でいられるんです。

石本:美姫さんには美姫さんに、できることがある。私たちには私たちの、役割がある。日本も少しずつだけど、変わっていっている。少しずつでも、進んで行きたいですね! 

ここでは女性の生き方に関してのふたりの意見交換を中心に紹介した。
安藤美姫が聞きだしたウィメンズアイの活動詳細、被災地での奮闘ぶりに関しても、ぜひ下記サイトでご一読願いたい。なお、本稿は週刊東洋経済8月31日号「ワーキングマザー」特集の続編であり、ぜひあわせてご覧ください。
(関連リンク)
安藤美姫     https://www.facebook.com/miki.ando.official
リボーンガーデン http://reborn-garden.com/ 
ウィメンズアイ http://womenseye.net/
JEN http://www.jen-npo.org/
SORA http://sora.ne.jp/
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