安藤美姫が語る「女が逆境を生き抜く方法」 安藤美姫×石本めぐみ対談
石本:でもたとえば、高齢者介護=女性、そんな構図があること自体が、本当はおかしいんですよね。
安藤:そう、男性の力が大きいことは、もちろん理解しています。でも日本では、当然女性がそれをやるんだ、という固定観念がある。
石本:そうそう! 日本の女性は、よく考えたら不思議なポジションに立っている。東北で活動していて、そのことにあらためてびっくりしているんです。
安藤:私は今、特に、その雰囲気が息苦しくて(笑)。
石本:息苦しいですよねえ! 女の人はこうでなくてはダメ、って。道を少しでも外れたりすると、もう……。
安藤:私はもう、道を外れすぎてしまって(笑)。
石本:でも「道」ってほんとうは、いっぱいあるはずなんですよ。それなのになぜ、人と違うことをしただけで、「あの人は外れた」って言われなければいけないのか。多様な生き方というものが、まだまだ日本では認められづらい。そこがおかしいな、と……。
私たちのメンバーには、海外で生活をした経験のある人もすごく多いので、日本社会をあらためて見返すと、すごく不思議なものを見ている思いなんです。これはもしかしたら今回のケースならではかもしれないですが、被災地は都市部などより男性社会の色合いが濃くて、自治会などの地域の組織は、どうしてもまだ男性、特に年長者が中心になるんです。意思決定など、男性的なものの見方で、東北の女性たちは主張しにくい、という空気がありました。
たとえば被災した女性たちは生活用品として、どんなものを今、必要としているのか……そんな基本的なことから、声を上げにくかったんです。
安藤:やっぱりそうなんですね。まだまだ男性のほうが地位が高かったりして、女性が意見を出しにくい社会。だから女性の居場所を作るための支援なのかな、と思っていたんです。
石本:また東北では、女性の側もずっとそのなかで生きてきましたから、今の社会構造が当たり前だと思ってしまっている。「お嫁さん」の立場の人が、家庭から何かを変えていくことも、とても難しくて。女性がリーダーシップを取ろうとすると、味方がいなかったり……。
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