安藤美姫が語る「女が逆境を生き抜く方法」

安藤美姫×石本めぐみ対談

違う意見がぶつかり合って、いいものができる

安藤:でもこれは被災地に限らないと思うんですが……今の日本では欧米ほどは、「みんなで助け合う」という意識を感じられないですよね。特に、女性同士で。

石本:そういった空気は逆に、東京などの都市部、核家族で住む人々が多い地域で希薄ですよね。

安藤:海外ならば、働いているお母さんがひとりいたとしたら、もっとみんなで気軽に助け合う空気があります。自分が子どもの頃も、そうだったな。

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名古屋の私の住んでいた地域では、子どもの習いごとの送り迎えでも、ひとりのお父さんが近所の子どもたちみんなを車で連れていく、とか、そんなことが自然にできていたんです。でも、今はどうだろう……。

私も4月に出産したんですが、スケートの練習もあるから、ひとりでは子どもの面倒は見られません。基本は母にお願いしているのですが、母も忙しいときは、近所に住む知り合いや、名古屋のスケーター仲間や親せきに家に来てもらって、助けていただいています。とてもありがたいことだけれど、皆さん、ごく当たり前なこととして、「助け合い」をしてくださってる。だから、すごくいい環境で子育てができています。

それなのに、子どもを産んだのにスケートの選手をしている、ってことで、「安藤は育児放棄してる!」なんてことも、言われてしまうんですよ……。

確かにスケートの練習をするときは、どうしても子どもから目を離すことになります。でも家にいるときは、ちゃんと娘と一緒に過ごしてる!自分ができる時間の娘の世話は、なるべく人に頼らないようにしているんです。だから自信を持って、「育児放棄なんかしていない!」って言える。それでも、お母さんが仕事や息抜きで外に出ていくだけで、「育児放棄」って、今は言われてしまうんだな……。

石本:いろいろなことを言う人がいますよね……。

安藤:自分は小さな頃、母が働きに出ていて、祖母が家にいてくれる、という環境で育ちました。それは決して、育児放棄ではない。それと同じように自分が今していること、助けてもらうことに、感謝をしつつも何も後ろめたさはないんです。それなのに、非難をする人がすごく多いことに驚いていて……。自分がこの立場になって、あらためて痛感してしまいました。アメリカのお母さんならば、助けてくれる人が地域にたくさんいるから、家にこもっていることは少ないんだけどな……。もちろんおうちの中で充実した生活をしているお母さんもいますけれど。

石本:欧米は、お母さんを含め、女の人が外に出ていく文化がありますよね。

安藤:結婚して、子どもを産んで、家庭をしっかり守っている女性は素晴らしいと思う。でも、子どもを産んで、かつ、外にどんどん出ていくことだってすばらしいことなのに!

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