どんどん高度化?「働く母」が抱える"罪悪感" 共働きが当たり前になったからこその悩み

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あなたの抱える悩ましさは、きっとバージョンアップしたほうの罪悪感からきているものではないでしょうか。「女性が働き続けること」がだんだんと当たり前になってくる中で、改めて「私はなんのために働くか」を考える必要が出てきたというか。そうやって腹がくくれたとしても、「なぜ私はこんなに頑張っているんだろう」と独り相撲のような気分になることは、誰にだってあるのです。なにもかも投げ出したくなることも仕事を辞めたくなることも、熱を出した子どものそばでPCを立ち上げる自分が情けなくなることも、制約のない誰かがうらやましく感じることも、職場のみんなに申し訳なさでいっぱいになることも、きっとほとんどのワーキングマザーにある感情です。それを感じることを「悪」だとか「未熟」だとか思ってしまったら、それはしんどくなるはずです。

復職したばかりとのことですから、まじめなあなたが「うまくいっている!」と思える日はまだまだずっと先かもしれません。今は肩の力を抜いて、「最初からうまくいくはずないか」と自分に言い聞かせましょう。

子どもの頃より大人になってからのほうが時間の流れが速く感じるように、また楽しい時間のほうがつらい時間より短く感じるように、ワーキングマザーとしての時間があっという間に過ぎていくことを感じられる日がきっとやってきます。将来の自分に笑い飛ばしてもらえるように、日記をつけてみてもすてきかもしれませんよ。

肩の力を抜いて一息つく

もう昔話だけれど、私が長女を出産して復職したとき、携帯電話に保育園の電話番号が表示される度に、泣きたくなったことを思い出します。そして、子どもの病院にいるのに、オフィスからの着信が山のようにあって、途方に暮れたことも。夫がどんなに一緒に育児に対峙してくれても「母親として失格なのかも」と自分を責める気持ちはなぜか起こってくるし、温かく見守ってくれる職場への後ろめたさや、仕事で配慮されるありがたさの反面にある悔しさや嫉妬、あきらめ感や、いろいろな感情が自分の中で折り合いがつかずに、ぐるぐる堂々巡りしてしまうこともたくさんあったものです。こういうときは、たとえば先輩たちからの言葉で、肩の力を抜いて一息つくことができたり、ものすごく楽になったこともありました。

すごく印象的だったのは、「ワーキングマザーは、『すみません』って言いすぎだと思う。『ありがとう』『助かります』と言い換えてみると、不思議と気持ちが楽になるよ」という言葉でした。

また、保育園へ入園したばかりで集団保育に慣れない頃、子どもの頻繁な発熱でため息をついているとき、「風邪の菌って300種類あるんだって。300回は呼び出されるってことね。でも300回以上は呼び出されないんじゃない?」と言われたときも、「へー、300も?」と驚きながらも、「発熱での呼び出しもいつまでも続くわけじゃない。子どもも今、新しい環境で頑張ってるんだな」と悲観的な気持ちから救われたように感じました。あなたの周りにもこんな言葉があふれているはず。受け止めることで少しでも気持ちが軽くなるといいなと思います。

毎日、一生懸命頑張るあなたが、今つらいのは仕方ないかもしれない。けれども、そんな一日一日の積み重ねがきっとあなたをそこから引っ張り出してくれます。経験者が言うんだから間違いない! 「罪悪感」をはね飛ばすのではなく、そんな自分を自分で感じられるようになれば、もうそこから突破する日は近いのかもしれませんよ。

堂薗 稚子 ACT3代表取締役

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どうぞの わかこ / Wakako Dozono

1969年生まれ。1992年上智大学文学部卒業後、リクルート入社。営業として多くの企業を担当し、数々の営業表彰を受ける。管理職として、多様な雇用形態の組織の立ち上げやマネジメント、『リクルートブック』『就職ジャーナル』副編集長などを経験。2004年第1子出産。2007年当時組織で最年少、女性唯一のカンパニーオフィサーに任用され、事業責任者、「リクナビ派遣」編集長を務める。2010年に第2子出産後はダイバーシティ推進マネジャーとして、社内外女性のメンターを務めつつ、ワーキングマザーで構成された営業組織の立ち上げ、マネジメントを担当し、彼女たちの活躍を現場で強く推進した。経営とともに真の女性活躍を推進したいという思いを強くし、2013年退職。株式会社ACT3設立、代表取締役。女性活躍をテーマに、講演や執筆、企業向けにコンサルティングなどを行っている。2013年2月、リクルート在籍時に東洋経済オンライン「ワーキングマザーサバイバル」連載に登場。FBのいいね!数が6000を超えるなど、話題となった。

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