40歳女性社長が体現した子育てママの理想郷 保育付きシェアオフィスが「働き方」を作る
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「ママをたすけるシェアオフィス」
「デザインに妥協するつもりだけはなかったんです」。高田麻衣子(40)の口から聞くそんな言葉には、説得力しかなかった。横浜市中区元町。有名な中華街から程近い場所に、柔らかな色を基調に心地よく整った「マフィス横濱元町」はある。「ママをたすけるシェアオフィス」略して「Maffice(マフィス)」。要は保育サービスが付いたシェアオフィスというコンセプトの施設だ。
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横濱元町への出店は「マフィス馬事公苑」に続く2施設目。このアイデアをなぜ誰も今まで思いつかなかったのかと思わされるほど、保育施設に隣接して設けられたオフィス空間はいたって自然に機能している。
保育エリアも、オフィスエリアも、双方を知る”現ワーキングマザー”。高田はマフィスを運営する会社、オクシイ(本社・東京都渋谷区)の代表を務める。本人の実感を根拠としたこだわりによって、しつらえの細部の意匠や、何を置くか、それらは片付けやすいよう論理的に配置されているかまで、繊細な気配りがうかがえる。
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エントランスから奥の給食室の壁まで広々と吹き抜ける1階にはゼロ歳児たちの保育スペースがあるが、そこには屋内保育施設にありがちな、狭く細々と雑多な印象が1つもない。ここは子どもだけのための空間ではなく、子どもと大人がそれぞれに共存するための空間。子どもと一緒にいるからといって、スペースまで小さくする必要はないのだ。
給食室の小窓の向こう側では、栄養士資格を持つスタッフが子どもたちの昼食を配膳していた。もちろん、その給食も五味や旬を意識し、安全な素材を用いて、園内調理されている。その給食監修は、かつての利用者であり幼い子どもを育てているフードアナリスト、とけいじ千絵氏が手掛けている。
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