40歳女性社長が体現した子育てママの理想郷 保育付きシェアオフィスが「働き方」を作る

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高田に今後の野望を聞いた。選択肢としては2つある。マフィスのクオリティを限りなく追求して完成度にこだわり、拠点数をごく限って小数展開していくか、あるいは現在のクオリティで拠点数を増やし、点から線に、線から面にするというフェーズへと突入するか。「点から面にして、このサービスを社会のデフォルト化していく。それもこの時期の私の役目なのかもしれないと思います」。

多様な働き方や再チャレンジの機会を創出したい

自らデザインをしたマフィス保育士用の保育エプロンを着用する高田さん

高田はマフィスに加え、多様な働き方や再チャレンジの機会を創出したいとして、エム・キャリアデザインラボという、企業とプロフェッショナルな母親たちのキャリアマッチング事業にも乗り出した。

「仕事に子育てにとそんなに忙しいのに、よくそんな次々とスピーディに」と思わず口にした筆者に、「私には根拠のない自信と確信があるので……」と高田は笑う。

最近のCMで、「上司が出社したのに、誰もいないガランとしたオフィス」が描かれた(堺雅人主演サントリー・クラフトボスCM「新しい風・誰もいない」篇)。「所長とマネジャーはコワーキングスペース、村山さんとクミちゃんは有休消化中、田中さんはリモートでミーティングってことで、みんな来てません」「なんで来ないの?」「なんで行かなきゃいけないんですか」。

オフィスに詰め込まれ、家族よりも長い時間をサラリーマン同士で頭を突き合わせて送る人生はもう過去のものだ。働き方改革という新しい風が、確かに吹いている。あなたの企業の「働き方改革」はどうか。コワーキングオフィス、リモートオフィスは若い世代のためならず、あなたたち私たち、オジさんオバさんの暮らしも変える。にわかには信じられないというのなら、マフィスへ見学に行ってみるといいかもしれない。(敬称略)

河崎 環 フリーライター、コラムニスト

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かわさき たまき / Tamaki Kawasaki

1973年京都生まれ、神奈川県育ち。桜蔭高校から親の転勤で大阪府立高へ転校。慶應義塾大学総合政策学部卒。欧州2カ国(スイス、英国ロンドン)での暮らしを経て帰国後、Webメディア、新聞雑誌、企業オウンドメディア、テレビ・ラジオなどで執筆・出演多数。多岐にわたる分野での記事・コラム執筆をつづけている。子どもは、長女、長男の2人。著書に『女子の生き様は顔に出る』(プレジデント社)。

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