育児で「子どもに泣かれる」夫に欠けた視点 即席で「イクメン」になることはできない!

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共働き家庭では夫婦やその実家などが協力して育児をすることが求められますが、かかわる人が多くなることでかえって厄介になることもあります(画像:Ushico / PIXTA)
「ワーママ」や「イクメン」がもてはやされ、共働きがあたかもこれからの“モデル世帯”のように語られる昨今。
しかし、職場に目を向けてみると、両者に対する会社からの目は厳しい。ワーママの場合は非主流のキャリアをぐるぐると歩むことに。育児を理由に仕事を休み、長時間労働をしないイクメンは、昇進をする気がないと見なされる。本人たちも、「宙ぶらりんの思い」にかられている。
彼らを支配しているのは、仕事と育児は対立するという考えだ。結果、妻が仕事を辞めて1人で孤独に育児を抱え込む「ワンオペレーション育児(以下、ワンオペ育児)」に陥ることも多い。
ただ、夫婦や祖父母などがチームとなって育児をしたからといって、最初から楽ができるわけではない。チーム育児をするうえで必要なこととは?
『育児は仕事の役に立つ』の共著者であり、ともに子育て中の研究者浜屋祐子氏と、教育学者の中原淳氏に聞いた。

育児のチームプレー、最初はけっして楽じゃない

中原:育児が“ワンオペ”からチームで行うプロジェクトとなった瞬間に、親同士の調整という要素が入る。さらに共働きになってくると、自分たちだけでは担えないので、父親、母親、外部という3項関係の中で、育児を達成しなければいけなくなる。そうなるとさらに育児は、チームプレーになってくる。

浜屋:で、チームプレーが楽かというと、それは必ずしもそうではないんですよね。特に最初のうちは、メンバーが増えることで、ややこしくなることも多いように思います。

中原:情報共有したり、調整したり、価値観の違う者同士で意見をすり合わせたり、一つひとつを話し合って、決定するのには時間がかかります。単純な「育児の実行」の部分でさえ、やっぱり母親ひとりでやったほうがうまくいくし、はやくできますしね。特に未就学児の場合は大概、「超絶ママっ子」ですから、妻がやれば3分で終わるおむつ替えも歯磨きも、僕がやると「ママがいいー」と、泣き叫んで10分かかるわけです。どちらが効率がいいのかと考えると、ロジカルに考えたら、ねえ……。

浜屋:とはいえ、仕事だって、得意ではないこともやってみないかぎり、いつまでも上達しないですからね……。

中原:はい、す、す、すみません(泣)。精進します。

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