ただ、将来に対する期待はさておき、現存する「上にもの申せない」職場。そんな危険な職場で不祥事が繰り返さないために、どのような対策を打つべきしょうか。
360度評価には、2つの意義がある
効果的な手段としてぜひ注目してほしいのが
《360度評価(別名、多面評価)の活用》
です。そもそもは職場で、
・部下や同僚
・仕事で関係のある他部門の担当者
・取引先や顧客
といった多方面から人材を評価するための制度です。一方向(直属の上司)から偏った評価をしてしまうことを避けるため、違った立場の複数の人が評価する仕組み。ただ、評価といっても、具体的な昇給などの報酬に直接関係するというよりも、昇進・昇格などの参考に加えて、自己を振り返り「気づき」の機会を提供すること、そして
・行動改善や育成
が主たる目的です。立場が偉くなると周囲から仕事について、指摘を受けることが少なくなりがちですが、この制度があれば、部下や後輩社員からの声を聞く機会が得られます。と、ここまでが「表の価値」。
さらに重要なのは「裏の価値」です。上長が間違った行動を起こさないようにする抑止機能、あるいは部下の声を収集して、不祥事を予見するために360度評価を導入している会社も少なくありません。事実、360度評価を導入したことで
《部下や後輩が自分を評価する機会があると、律せられる気持ちになる》
と本音を語ってくれる管理職が何人もいます。ちなみに米国の職場、特に上場するクラスの企業では
「マネジメント層の監視機能として、(これがすべての目的ではありませんが)360度評価を導入している会社が大半」
と、こうした評価の専門家は語ります。
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