”30代後半”が一番クリエーティブ

アニメプロデューサー・石井朋彦の語る世代論

『東のエデン』や『009 RE:CYBORG』などの話題作を次々と生み出すアニメ監督の神山健治氏を、裏方として支えているプロダクション・アイジーのプロデューサー・石井朋彦氏を取材した。

石井氏は1977年生まれの36歳。プロデューサーとしての石井氏の仕事は多岐にわたる。神山監督と一緒に作品の企画を考え、制作スタッフの人選を行い、制作資金集めに奔走する。プロデューサー業と平行して、神山監督と広告代理店・博報堂のクリエイティブディレクター・古田彰一氏が共同CEOを務める「STEVE N’ STEVEN」の取締役も務めている。アニメでCMを作る場合、実写と比べて製作期間が長いことがネックとなるが、クリエーターと広告代理店が机を並べて仕事をすることで、タイムリーなCMを短期間で作ることができるという。

プロダクション・アイジーに入社する前、石井氏は1999年から7年間、スタジオジブリに在籍し、鈴木敏夫プロデューサーの下で修業を積んだ。

ジブリには宮崎駿監督と高畑勲監督を筆頭に、日本を代表するクリエーターたちが名を連ねている。石井氏はそんな彼らの中で埋没せず、自分の存在を認めてもらおうと必死だった。

若いことには”何もない”以外は無価値だ

ある社内会議でのこと。出席者の間でさまざまな意見が飛び交う中、石井氏も自分にしか言えない意見を言おうと努めた。だが、会議の後、鈴木氏に呼び出され、1時間にわたって説教された。「お前がどう思うかなんてどうでもいい。若いということには“何もない”ということ以外に何の価値もない」。

鈴木氏からは、今後は自分の意見を捨て、ひたすら会議のメモを取るように要求された。会議の発言や参加者の表情……。そのメモを夜寝る前に読み返せば、会議で何が必要だったかが見えてくる。それを今後、自分の意見として発言すれば、その意見は必要とされる。

「僕と同世代の人たちは個人主義化が進んでいて、自分らしくありたい、人と違うことをしたいという傾向がある。でも出鼻をくじかれました。一度自分を捨てることで、新しい自分が生まれるのだと思います」と、石井氏は言う。

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