上司にモノ申せない職場を、変える方法 360度評価の「表の意義」「裏の価値」

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「遅きに失した感がある。最後の最後まで醜態をさらした」

とコメントしたのは、女子柔道界の先駆者として「女三四郎」の名で知られる山口香氏。きっかけは、全日本柔道連盟(全柔連)で起きた暴力指導問題や助成金不正受給といった一連の不祥事でした。

全柔連では、上村春樹会長が辞任を表明し、管理責任を問われた執行部も総辞職しました。不祥事が公になってから半年以上、世間の批判をスルーし続けた末に、内閣府から改善勧告を受ける事態に。組織の再構築案や責任の明確化などの報告を要望され、やっとのことで重い腰を上げました。山口氏は、柔道界が全面降伏し、一刻も早く根本から立て直さなければならないと言い切っていますが、改革は本当に進むのでしょうか?

さて、不祥事に対する「後手の対応」で傷口を広げた組織は、全柔連に限りません。スポーツ関連で、すぐに思いつくのが相撲協会。民間企業なら東京電力、雪印乳業……いくらでも例を挙げることができます。

早めに体制を立て直し、対策を講じてダメージを最小限に食い止めることができなかったのはなぜか。マスコミで話題になった過去の不祥事は反面教師にならなかったのか。もしや、隠し通せると「見込み違い」をしたのか。

《後手の対応は起こさない、問題を起こした企業と同じ轍を踏まない》

と決意して取り組む姿勢こそ重要です。そのためには、いったいどうしたらいいのか。具体的に考えてみましょう。

ありがちな外部評価より、有効な方法

まずは、解決の糸口を探るべく、コンプライアンス関連の専門家に聞いてみると、

「第三者委員会の設置や外部役員の登用をすべき」

と“外部の視点”による検証が必要とのこと。朝の情報番組でコメンテーターが発言している場面が目に浮かぶような回答です。実にごもっともですが、誰もが考える、優等生的な発想です。でも、そこまで大掛かりな対策を打てる会社や組織ばかりではありません。冷静に考えてみましょう。

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