上司にモノ申せない職場を、変える方法 360度評価の「表の意義」「裏の価値」

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・誰に任せるのか? (有能な外部役員には、高額報酬が必要です)
 ・何を検証するのか?(内情を知らない外部に任せて、膨大な時間がかかることも)

例えが古くて恐縮ですが、映画『踊る大捜査線』の決めせりふのとおり、事件とは現場で起きるもの。

・営業所で起きたパワハラによる、社員の人材流出
 ・お客様からのクレームに対処せず、問題が深刻に

こうした現場の不祥事で、膨大な手間とコストをかけるわけにはいきません。もっと、現実的な予防策で、後手の対応を避けたいもの。そこで、注目してほしいのが、外部に頼るといった対症療法をやる前に、

《「上にもの申せない」風土を変える》

という改革です。

たとえば、白いものでも上司が「これは黒だ」と言えば「黒です」と答えるのが当たり前と考える部下たち。仮に部下が不祥事に気づいても、もの申せない風土では「見て見ぬふり」にする可能性が大きいでしょう。これが後手の対応につながるので、見て見ぬふりが許されないよう、“楔(くさび)”を打ち込んでしまえばいいのです。

ちなみに、「上にもの申せない」組織の典型として思いつくのが、古き体育会の組織。最近は上限関係の緩い“フランク”な体育会も出てきましたが(松井裕樹投手を擁する桐光学園などが典型)、10年前なら

・先輩の間違いを正すことはできない

というのが当たり前でした。この典型が、冒頭に挙げた全柔連でしょう。もし、あのまま放置していたなら、後輩にあたる選手たちが、会長らの辞任を実行することは100年経っても、できなかったはず。こう考えると、上に対して「モノ申した」女子柔道選手の告発は、そうとうな勇気を要する行動であったと、あらためて感じます。

日本企業の異様な実態

さて、上に対してもの申すことができない職場はたくさん残っています。全柔連がレアケースとは言えません。ヒエラルキー(階層構造)が確立されて、若手社員の発言権がないに等しい職場。たとえば、取材した食品メーカーもそうです。創業から100年の老舗で、人材の確保は新卒採用が中心、おまけに年功序列が強い社風です。

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