そもそもこの発音しにくい音を、ズル方式でwerの音 / wɚ / の代わりに使うのは、本末転倒な気もします。かなり微妙な表記ですが、こちらも「ヲゥ」で書いてみますので、ワ行ウ段の音のつもりで一度読んでみてください。
world ヲゥールド (ウールド)
worse ヲゥース (ウース)
were ヲゥー (ウー)
work ヲゥーク (ウーク)
これでいけそうな方は、それで解決なのですが、ちょっと難しいという方は、ここはwの音も含めてズル方式ということで「ウー」にしてしまっていいでしょう。では、この方式で「早起きは三文の徳」を言ってみましょう。
どうでしょうか? 筆者は、「アーリー・バード」よりは「ウーリー・ブード」のほうが、ネーティブにはearly birdと認識してもらいやすいと思います。日本人同士でしたら「アーリー・バード」のほうがわかりやすいですけどね(笑)。
なんかヤダ
先ほど言った都内のある企業での研修で、このaの音 / æ / と erの音 / ɚ / のズル方式を練習していたら、研修生のひとりハナコさんが、「なんかヤダ」と言うのです。理由を尋ねたら、birthday の響きが悪いとのこと。
なんて、「なんか『ブス』にしか聞こえない。『ブス』の日おめでとうみたい!」と言うのです。「birthday girl なんて『ブスでグル』になります!」と不服そう。それは「ブスでグル」と言ったらそう聞こえちゃいますけど、もう少し英語らしく「ブースデイ・グール」と発音すれば大丈夫です。
「もう1度、それっぽく言ってみて」と言ったら「私は『バースデー』のままでいい!」と嫌がるハナコさん。そんなやり取りをしていたら、周りの研修生たちが面白がって、
birthday party ブスでパーティ
birthday cake ブスでケーキ
とbirthdayネタで「ブス」「ブス」と連呼し始めたのです。急に小学校の教室みたいになってしまい、Stop saying “busu”! (もう、「ブス」って言わない!)と注意すると、研修生たちは余計に喜んで、あの単語はああなる、この単語はこうなると、変な例探しに……。
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