PDCAサイクルは正しいか?
バス会社は意外と縁起を担ぎます。
バスやタクシーを新しく購入したときは、大安の日取りを選んで修祓式(しゅばつしき)という車両の安全祈願をします。バスやタクシーの営業所には神棚が置いてあり、その存在を皆どこか意識していますし、営業所が移転する場合には神主さんをお呼びし移転先の営業所に入魂し直していただきます。年末には市内の神社に幹部社員が集まり、安全祈願のお祓いをします。数え上げればきりがありません。
当社に限らず、交通事業を行っている企業、人の命を預かる企業はどこも似たようなもののようです。縁起というのは、もともとは仏教用語で因果関係の事を指すのだそうです。実際のところ、このように担いだ縁起と、社内外で起こっていることの間に因果関係があるのかはわかりません。
そうはいっても私たちは、このような「縁起」も含め、つねに原因と結果の因果律の中で企業活動を営んでいます。
経営において普遍的に正しいとされるPDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルもその絶対的な前提は因果関係にあります。PDCAサイクルの骨子たる「振り返り(Check)」と「改善(Action)」は、失敗も成功もそこには原因があり、その原因を明らかにし、よりよいものにしていくという立場が前提になっているからです。
しかしこういう概念的なものはともかく、経営上の因果関係というのはそうとう怪しいものも含まれています。私はPDCAサイクルそのものを否定するものでは決してありませんが、経営における因果関係というものをどこまで真剣に考えるべきか、いつも悩ましく思っています。
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