オンライン化が、”日本の学歴”を破壊する

高等教育のオンライン化がもたらす「衝撃の未来」(下)

 日本人はどうやって日本人になるのだろうか? そんな誰もが意識したことがないことを、グローバル化という視点でとらえていくとどうなるだろうか? 21世紀のグローバル化が私たちに突きつけている問題は、国際標準語(英語)を話す国際人になることではない。日本人という確固たるアイデンティティを持って、世界を舞台に活躍できる人材になることだ。
 しかし残念ながら、日本で日本人の両親から生まれ、日本の教育を受けて育つと、真の日本人にならない。一人娘をアメリカと中国の教育で育てたジャーナリストが、その経験を基に、日本人とは何かを問いかける。
ハーバード大やMITなどが共同で運営するEdx。世界最高の授業が無料で受けられる((写真:Christian Science Monitor/Getty Images )

 将来、日本の大学の半数以上が消滅する。そんな未来が迫っている。これは、日本だけの話ではなく、アメリカでは「今後50年以内に、現在4500校ある大学の半数がなくなるだろう」とさえ言われているので、ありえない未来ではない。

では、なぜそんなことになるのか? 前回の記事に引き続き、こうした未来をもたらす「MOOC革命」について詳述していこう。 

「MOOC」(モーク)とは、「Massive Open Online Course」の略で、ネットを使った「大規模公開オンライン授業」のことである。「MOOCs」と複数扱いで表記することもある。現在、アメリカ発のMOOC革命は、世界中に急速に広まっていて、 一流大学がこぞって人気教授の授業を無料オンライン化している。

MOOCの代表的なものとしては、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)が合同で設立したEdx (エデックス)や、スタンフォード大学が中心のCoursea(コーセラ)などがある。

ネット環境があれば、世界のどこにいても一流大学の授業がタダで受けられる。たとえば、Edx に登録すれば、「白熱教室」で有名なマイケル・サンデル教授の政治哲学の講義「JUSTICE」も自宅で受けられるのだ。

このMOOC革命に衝撃を受けたイギリスでは、BBCニュースが、今年3月11日に「英国の大学はオンラインの脅威に直面している」という記事をサイトに掲載している。

この記事は、「現状に満足し台頭するオンライン大学への対策に失敗したイギリスの大学はグローバル競争によって一掃されてしまうだろう」と始まり、「中堅クラスの大学はどんどんと閉校に追い込まれるだろう」「今後10年以内に大学が潰れていかなければそちらの方が驚きである」とまで述べている。

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