アメリカは原爆投下をどう教えているのか? アメリカの歴史教科書を読んで考えたこと

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 日本人はどうやって日本人になるのだろうか? そんな誰もが意識したことがないことを、グローバル化という視点でとらえていくとどうなるだろうか? 21世紀のグローバル化が私たちに突きつけている問題は、国際標準語(英語)を話す国際人になることではない。日本人という確固たるアイデンティティを持って、世界を舞台に活躍できる人材になることだ。
 しかし残念ながら、日本で日本人の両親から生まれ、日本の教育を受けて育つと、真の日本人にならない。一人娘をアメリカと中国の教育で育てたジャーナリストが、その経験を基に、日本人とは何かを問いかける。
原爆投下の是非については、アメリカでもさまざまな意見がある(撮影:大隅智洋)

娘と私の思い出

今年も8月15日の終戦記念日がやって来た。

日本では、夏になるとメディアは戦争の話であふれる。とくに今年は、「慰安婦発言」(橋下徹)「ナチス発言」(麻生太郎)があり、憲法改正が政治課題化しているので、例年以上である。また、映画『風立ちぬ』、オリバー・ストーン監督の広島・長崎訪問も話題になり、戦争がまるで昨日のことにように語られている。

そこで今回は、日本とアメリカの歴史教育の違いについて、私と娘の経験から述べてみたい。

と、その前にまず述べておきたいのが、第二次世界大戦はすでに半世紀以上も前のこと。それを夏の季節ネタとして繰り返し蒸し返しているのは、世界の中でも日本だけではないだろうか?ということだ。

アメリカでも欧州でも、そして中国、韓国でも、戦争の話は日本のような夏の季節ネタではない。また、アメリカの戦争は第二次大戦だけではない。いまも新たな戦争を戦っている。だから私たちが言う「戦争」は、アメリカ人に言わせると「どの戦争のことだ?」となる。

そこで、今回この原稿を書くにあたり、改めて娘に聞いてみた。

「日本とアメリカが戦争をしたことを、いつ知った?」

「うーん、いつだろう。正確には言えない。でも、学校で教えてもらったわけではない。多分、小学校2年生のときには知っていたと思う」

「どうやって知った?」

「それは、やはりおばあちゃんやママ、それに大人たちがそういう話していたからだと思う。でも、戦争がなんだかなんてわからなかった」

「同級生はどうだった? 」

「日本の子は知っていたと思う。アメリカの子はわからない。ミッシェルみたいに父親が軍人の子は知っていたと思う。でも、そんな話をしたことなんかない。話をしたとしたら、4年生から歴史を習うようになってからだと思う」

私自身のことを言うと、私は小学校低学年のときは、すでに戦争のあらましを知っていた。1960年代の少年誌は戦記物の大ブームだった。私は、そこに載っていた小松崎茂先生の零戦や戦艦大和の絵を見て感激し、プラモデルを買ってもらって一生懸命つくった。零戦の絵も、真似をして一生懸命に描いた。

そして、こんなすごい戦闘機や戦艦を持っていたのに、なぜ日本はアメリカに負けたのだろうと思った。

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