アメリカは原爆投下をどう教えているのか? アメリカの歴史教科書を読んで考えたこと

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ハワイでの思い出

インターナショナル•スクール(というかアメリカの学校)では、夏休みは長い。6月の第1週で最終学期が終わると、9月に新学年になって新学期が始まるまで約3カ月間ある。

この間、子供たちはたいていどこかのサマースクールに行く。1990年代、娘が小学生だった頃、日本人の同級生の多くは、ハワイに家族と行き、そこで現地のサマースクールに通っていた。生徒の中には親がハワイに別荘を持っている子もいた。

私たちも背伸びをして、ワイキキに安いコンドミニアムを借り、娘と家内は夏の間ハワイで過ごした。娘が通ったのは、小学生のときはダイヤモンドヘッドの麓にある女子校のラピエトラ。ここは、ダイヤモンドヘッドから見下ろすと、校舎と校庭が真下に見える。

1941年12月7日の朝、このダイヤモンドヘッドを左手に見ながら零戦と九七式艦攻は真珠湾に突っ込んでいる。

その後、中学生になると、娘は州政府そばの女子校セント・アンドリュースのサマープログラムに通った。

「ハワイでは小学校でも中学校でも、友達と戦争の話なんてしたことなんてない。ロコの子も、本土から来ている子ともそんな話なんてしたことはない。ただ、アリゾナメモリアルに行ったことがあるとかいう話はしたけど……」

「では、原爆のことはいつ知った?」

「やはり、小学校4年生から歴史を習い始めてからだと思う。真珠湾や原爆のことはハイスクールになってから、歴史のクラスで話し合ったことはあるけど、それまでアメリカ人の子と戦争の話をしたことはない。男子生徒はわからないけど、女子生徒は戦争のことなんて関心がないから」

娘が学校で歴史を習うようになってから、いつか一度、まとめて戦争の歴史を教えようと、私は思っていた。そうしないと、アメリカ側の一方的な見方が植え付けられてしまう。それは困る。そこで私は、ではアメリカの教科書はどのように戦争を扱っているのか、まず読んでみることにした。そして、正直、読んで驚いた。

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