たとえばある大手グループ会社の場合、本社との関係が、学生のイメージしがちな”親会社の下請け”などではなく、グループ内で専門的な役割を果たすことで、グループ経営の一角を占める非常に重要な存在であることを明確に学生に伝えようとしています。
グループ経営の在り方が大きく変わっているというのは、私が所属するリクルートグループもまさにそうです。リクルートの創業事業である学生向け就職情報提供事業は、今、私が所属する(株)リクルートキャリアで担当し、「リクナビ」などを運営しているのです。このような動きはあらゆる業界で見られます。
一方、中堅・中小企業も、競合他社と比較して自社の強みを分析したり、その強みを支える社員たちに注目してみたり、あるいは人事担当者自身が一社員として魅力に感じているポイントを明確にしたりすることで、 自社の魅力を発掘し、発信しようとがんばっています。
6割以上が「インターンシップ」を実施
これらの企業は、“自社の魅力”を学生に伝えるための手段の一つとして、「インターンシップ」を重要視しています。2017年卒と同様に短期決戦となる2018年卒の採用では、自社についての理解を深めてもらう時間を十分に取れないことが考えられるため、学生とのコミュニケーションを補完する意味で、これまで以上に期待を寄せているのです。
実際、新卒採用を実施する企業のうち、2016年度にインターンシップを実施した企業の割合は63.9%と、2014年度の49.9%と比べて14ポイントも上昇(2016年度は実施予定も含む。就職みらい研究所『就職白書』)。特に中堅・中小企業で積極的に実施する傾向が見られます。
中堅・中小企業のインターンシップのプログラムは、ともすると奇抜だったり刺激的だったりする大手企業のインターンシップと比べると、より素朴で学生に寄り添った内容となっている傾向があります。「学生にとって実りの多い経験となるように」と、時間をかけてプログラムを練り上げ、来てくれた学生が少しでも多くの収穫を得られるようにと、力を注ぐ企業が少なくありません。
このように、企業や社員のリアルな姿や人となり、企業の持つ“温度”に直に触れることができるのが、中堅・中小企業のインターンシップのよさと言えるでしょう。
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