変化が苦手な人に勧めたい「他流試合」の効果 殻にこもっていても始まらない

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世間的にはイノベーションとかダイバーシティとかCSRなど、変化に対応できる視野の広い人材が必要とのメッセージが企業から発信されますが、一方で短期業績の追求や、合理化などのため内向きな仕事に忙殺されがちな時代になりました。その結果、大転換には否定的で、殻にこもるような発想になりがちです。

こうした状況に危機意識を感じる経営陣や人事部門も増えてきています。取材した企業の人事部長は内向きな発想の社員たちを「タコツボ化している」「茹でガエルになりそう」指摘していました。こうした危機意識の打破のために他流試合は効果的な手段と考えているようでした。

「外」から指摘されることのインパクト

例えば、取材した大手メーカーではあえて中小企業の社員と新規事業のプランを考えるプログラムを行っています。そこで、お互いの会社の強み・弱みを確認しながら新規事業を考えていくことにするのですが、そのプログラムの途中で中小企業の社員たちから

「これまでの経験に固執して、ビジネスチャンスを逃していませんか」

と指摘をされ、ブランド力や取引先の数など大企業ゆえに恵まれていると気づく機会が多くあるとのこと。あるいは同規模であっても業種の違う会社との異業種交流で双方の企業課題を共有している専門商社では、海外企業との競争で企業買収や組織再編が頻繁に起こる話を聞いて、自分たちも変化に対して果敢に対応すべき…との声が集まったという話を聞くこともできました。

もちろん職場では、経営陣や上司も同じような問題意識を基にメッセージを発信しているかもしれません。ただ、それを「外」から聞くことでより真摯に受けとめる機会になるのではないでしょうか。

更なる詳細の事例などは別の機会に紹介させていただきますが、変化に対してネガティブにとらえる若手世代が多いと考える企業は少なくなく、他流試合を行う企業が増えています。こうした機会を通じて、会社が生き延びるきっかけになればと期待しています。

高城 幸司 株式会社セレブレイン社長

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たかぎ こうじ / Kouji Takagi

1964年10月21日、東京都生まれ。1986年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。1996年には日本初の独立/起業の情報誌『アントレ』を立ち上げ、事業部長、編集長を経験。その後、株式会社セレブレイン社長に就任。その他、講演活動やラジオパーソナリティとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。著書に『トップ営業のフレームワーク 売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』(東洋経済新報社刊)など。

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