世間的にはイノベーションとかダイバーシティとかCSRなど、変化に対応できる視野の広い人材が必要とのメッセージが企業から発信されますが、一方で短期業績の追求や、合理化などのため内向きな仕事に忙殺されがちな時代になりました。その結果、大転換には否定的で、殻にこもるような発想になりがちです。
こうした状況に危機意識を感じる経営陣や人事部門も増えてきています。取材した企業の人事部長は内向きな発想の社員たちを「タコツボ化している」「茹でガエルになりそう」指摘していました。こうした危機意識の打破のために他流試合は効果的な手段と考えているようでした。
「外」から指摘されることのインパクト
例えば、取材した大手メーカーではあえて中小企業の社員と新規事業のプランを考えるプログラムを行っています。そこで、お互いの会社の強み・弱みを確認しながら新規事業を考えていくことにするのですが、そのプログラムの途中で中小企業の社員たちから
「これまでの経験に固執して、ビジネスチャンスを逃していませんか」
と指摘をされ、ブランド力や取引先の数など大企業ゆえに恵まれていると気づく機会が多くあるとのこと。あるいは同規模であっても業種の違う会社との異業種交流で双方の企業課題を共有している専門商社では、海外企業との競争で企業買収や組織再編が頻繁に起こる話を聞いて、自分たちも変化に対して果敢に対応すべき…との声が集まったという話を聞くこともできました。
もちろん職場では、経営陣や上司も同じような問題意識を基にメッセージを発信しているかもしれません。ただ、それを「外」から聞くことでより真摯に受けとめる機会になるのではないでしょうか。
更なる詳細の事例などは別の機会に紹介させていただきますが、変化に対してネガティブにとらえる若手世代が多いと考える企業は少なくなく、他流試合を行う企業が増えています。こうした機会を通じて、会社が生き延びるきっかけになればと期待しています。
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