企業における大きな変化の決断は、さらに今年も続きそうです。大和総研が実施した「第2回企業価値創造に関するトップマネジメント意識調査」によると、これからの経営トップに求められる資質として「先見性」「環境変化対応」など、変化に関する項目が多く上位にあがっています。
このように、経営者にも世の中の変化に俊敏に対応することが求められています。そのような時代、いったい企業の組織とはどうあるべきでしょうか。激しい変化に対応するため、組織を硬直化させず、状況に応じて柔軟に対応できる体制を備えておきたいもの。
組織が「硬直化」するとは、新しい価値を提供したり、環境変化に対応したりすべきなのに、そうできない状態を指します。優良企業であるほど、また成長事業であるほど、失敗を恐れて動きが硬直化しがちです。このことは、ハーバード・ビジネス・スクール教授のクレイトン・クリステンセン氏が提唱した「イノベーションのジレンマ」でも問題視されるような状況ともいえます。硬直化している組織は、コミュニケーションがうまくいかないとも言われます。例えば、
・担当部署がわからず、たらい回しにされる
・本来の目的よりも、ルールの徹底が重視される
結果として、新しい価値を生み出す企画を作り出したり、新たな協力体制を築いたりできないので、組織としてパフォーマンスを十分に発揮できない状態に陥ります。みなさんの会社、組織はどうでしょうか?
変化を嫌っていませんか?
「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。唯一生き残るのは、変化できるものである」
と語ったのは英国の自然科学者であるチャールズ・ダーウィン。この発想は企業でも同様。大転換が頻繁に起きる時代ならば、それを踏まえて柔軟に変化できる組織編成の準備をしておくべきではないでしょうか。
例えば、縦割りの事業部制から、横断的に仕事をすすめるマトリックス型への変更。あるいはプロジェクト単位でミッション(役割)を定めて行動する体制への移行。
オープンなコミュニケーションができる環境づくりも重要です。上下関係が絶対のものではなく、自由度が高い組織で機動力を高められるように、役職ではなく「さん付け」に変更するなどの風土改革。オフィスレイアウトで固定机をやめてフリーデスクに変更して、場所に縛られない働き方を推進するなど。硬直化を避けるために打てる施策はいくつもあります。
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