日本は上司と部下の関係がいちばん悪い?
世界の中でも、日本人は上司との関係がダントツで悪い、と聞いたら驚くでしょうか。「組織とリーダーに関するグローバル価値観調査2015」によると、世界15カ国(地域)の各100人に「直属の上司との関係がどれくらい良好か」について質問したところ、日本は良好度が低いという結果が出たそうです。
私もキャリアに関するさまざまな相談を受けますが、かなりの頻度で、上司や会社の上層部との関係について聞きます。仕事に対して熱意があふれる人ほど、
「自分の企画を認めてくれない」「事無かれ主義で何もしない」「上司の考えが古くて衝突してしまう」
など対立構造になってしまっているようです。私も新卒で勤めた会社では、上司に対する不満も当然ながらあったのですが、コンサルティング会社に転職してからはすっかりその悩みから解放されました。
大きな理由としては、以前この連載で書いたような「ステークホルダーマネジメント(利害関係者管理)」を学んだことです。利害関係者管理は、仕事の関係者を全方位的に把握し、それぞれの関係者がどのような状態でいてくれたら、コトがうまく進むのかを考えてコミュニケーションをしていくという手法です。
上司も重要な利害関係者の一人ですから、この考え方を適用することでよりスムーズに仕事を進めることができるようになりますが、上司や上層部は他の関係者に比べて自分への影響力が格段に強いのが特徴です。上司や上層部はヒト・モノ・カネの承認権限や評価権限、能力、人脈などさまざまなパワーを持っています。それを自分にとって良い方向に働くように意識して、パワーを活用する意識がさらに必要になります。
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