このようにたくさんある上司の機能を使わないなんてもったいないと思いませんか?とはいえ、使いこなす以前に、関係構築に苦労する人が多いのも事実です。私も若い頃は、上司との相性次第で、良い関係を築ける時もあれば、最初からあまり良くないという時もありました。キャリアを積んでいくうちに、どの上司とでもうまくやっていく人が数少ないながらもいることに気がつき、そんな人に心構えを聞いてみたので、皆さんにご紹介したいと思います。
「完璧な上司はいない」
上司と言えども、同じ不完全な人間と思えば腹も立たないし、過剰な期待をして勝手にがっかりすることもなくなるということです。理想の上司など雑誌の企画などがありますが、理想の恋人を考えてみたところで、それが自分の恋人になるわけではないのと一緒です。とかく上の人には全人格的な完全さを求めてしまいがちですが、自分が上司になってみることを考えればそんなのは無理だと気がつきます。
また、自分との相性や価値観などの違いがあったときに「上司が間違っている」というとらえ方をすると、あまり良い関係にはなりません。違い=間違いととらえてしまうと、せっかくの豊富な機能を活用できなくなってしまいます。今、上司のどんな機能を自分が使いたいのか、そのためにどんなコミュニケーションを取ればいいのかに考えを集中しましょう。
上司と仲良くするというと、ごますり、太鼓持ち、茶坊主など完全追従のイメージがあるせいか、積極的にやりたくないと考える人も少なくないでしょう。しかし、私が見てきたどんな上司ともうまくやっていける人の共通点は決して、茶坊主のようなイエスマンではありませんでした。
上司の言うことには8割がたYesなのですが、譲れない点やこれだけは……という条件を引き出すための2割のNoの言い方やタイミングがうまいのです。たとえば、Noを言うシーンも、他の同僚や他部門の人がいるような場で上司の顔をつぶすようなことはしません。そのようなシーンでNoと言われたら、それが正しいと思ったとしても認めにくいからです。
外資系企業は日本以上に「Yes, Sir(イエッサー)」が求められる上司部下の関係ですが、茶坊主ではトップには立てません。和やかな関係を保っているものの、完全同化はしていない、まさに「和して同ぜず」のスタンスで、さまざまな機能をうまく使いこなせる人でないとキャリアアップはできないのだと気がつきました。
上司の機能を使いこなせるようになれば、まさに鬼に金棒です。組織で袖触れ合うのも何かの縁。ぶつかり合い、険悪な関係ではなく、良好でお互いの良さを引き出し合える関係になれたらいいですね。
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