変化が苦手な人に勧めたい「他流試合」の効果 殻にこもっていても始まらない

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ところが、そうした取り組みを阻む要因があります。それは、柔軟な組織に否定的な社員たちの存在。いくら経営側が大転換に対応できる柔軟な組織を標榜しても、職場で働く社員たちが「無理だから」「ついていきたくない」と考えているとしたらどうでしょう。しかも、否定的な社員がベテランならまだしも、若手中心であったとしたら……。

取材していくと、柔軟な組織の構築に対してネガティブな声を若手社員たちからたくさん聞きました。そもそも、現在の職場環境の変化でさえも反対。転勤や職種変更などは考えられず、地域限定職や職種限定の働き方を望む声がたくさんありました。

ちなみに40代以上になると過去に会社が方針転換による組織の大きな変化を過去経験しており、

「柔軟な組織になれば、それは、それで働けると思います。でも、いまさら、大転換を経験するのは望ましいとは思えません」

と会社の方針にお任せしたいというような、達観したような意見をよく耳にしました。いずれにしても、組織の変化を積極的に望む社員は少ないようです。

「他流試合」という選択肢

では、企業はどうしたらいいのか。組織の変化を社員たちが覚悟して受け入れられるようになる機会を提供すべきではないでしょうか?

その機会となるうる方法のひとつとして、「他流試合」が注目されています。ここでいう他流試合とは、異業種の他社の人材となんらかの仕事に取り組む機会のこと。

例えば、金融機関の渉外担当者が、普段は出会う機会の少ない異業種に勤務する同世代の人材とプロジェクトを組む。あるいは大企業に長く勤務する人材がベンチャー企業の人材と新しいビジネスを考える、などなど。こうした機会を会社側から仕掛けて提供することで、硬直化した組織や発想に疑問を持ち、変化に対応する必要性に気づいてもらう機会とするのです。

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