事前に得意先のひいきチームを調べておいたうえで、正月に行われたスポーツの結果を織り込むのも手だ。「ニューイヤー駅伝。好走しましたね!」「天皇杯、惜しかったですねえ!」「大学ラグビーの準決勝惜しかったですね」と、ひとこと乗せるだけで、相手を少し気持ちよくさせることができる。
加えて、前出Bさんは挨拶回りに関して、極めてニッチなアドバイスを一つしてくれた。
「うちの場合、仕事始めの最初の1日は、朝から夕方まで部門長から新人まで、同じ部署の人間が一緒に得意先をまわる。つまりランチもみんなで一緒にとるわけです。このときに新人が『近くのうまいうどんの店』などを知っていると、ポイントが高いですね。仕事初めのときは、正月の暴飲暴食で胃腸が弱っている上司は多いはず。昼飯は胃にやさしい“うどん”という選択は、とてもうれしい。そこまで気が回る新人となると『おまえ、分かっているな!』と感じますよね(笑)」(Bさん)
新年の抱負「最初の発表者になる」準備をせよ
仕事始めのときや新年会で「今年の抱負」を発表させられることが多い。とくに新人は、真っ先に名指しされて、最初の発表者となる可能性が大。こんなときに、しっかりと今年成し遂げたい項目とその理由、意気込みなどを答えられるようにあらかじめ考えておきたい。
ただし、気をつけたいのが、上司によってお気に召す、抱負の“ストライクゾーン”が違うことだろう。例えば、サービス業のCさん(38歳)は「新年の目標や抱負を語るなら、『売上いくら』『前年比何%増』など、具体的な数字を織り交ぜてほしい」という意見がある一方で、前出Bさんは「新年の抱負で数字を入れるのは好みません。数字は目指すものというより、結果としてついてくるものですからね。むしろ『お客さまにこんな貢献をしたい』『こんな仕事をやってみたい』といったビジョンのほうが好感を持てる」と言う。
あるいは、製薬メーカーのDさん(42歳)のように「新年の抱負なんて仕事じゃなくて『フルマラソンを完走したい!』とか『ずばり結婚です!』くらいのほう良い」なんていう声もあった。
ようするに、事前に抱負を求める上司が、「どんな程度で、どのようなレベルの抱負を求めているか」を先輩などに聞いてリサーチしておくのがベターだろう。裏を返せば、日頃の上司の態度や言葉から、「どんなことを期待しているのか」を、おもんぱかるくらいの器量は身につけておきたい。
駆け足で仕事初めに実践したい基本動作をお伝えしてきたが、今からちょっとだけ下準備をすればできそうなことばかりだ。仕事初めの日を、万全の体制で迎えられるはずだ。さあ、さっそく「美味しいうどん屋探し」あたりから始めるのはいかがだろうか?
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