始まりは明確ではありませんが、最近、焼きすき焼きなるメニューが定着しつつあります。メニュー名は焼き肉店ごとに異なりますが、大判で薄目にカットされた甘辛のタレに絡めたお肉を鉄板でしゃぶしゃぶの要領でサッと焼き、さらに卵の黄身を絡めていただきます。鉄板で焼きますが、味と食感はまるですき焼きで食べるお肉で、おいしくいただけます。
この焼きすき焼きに使用される部位の多くはザブトンです。ザブトンは肩ロースの下、アバラ骨側の部位で、霜降り具合が美しい部位になります。おいしい理由は簡単です。ザブトンは、通常のすき焼きで使用される部位なのです。要するにすき焼きの鉄鍋のかわりにタレを絡めたザブトンを鉄板で焼き、溶き卵でいただくのですから、まるですき焼きです。すき焼きが誕生し、現在まで定着しているのですから、ザブトンにこの食べ方が、マッチしない訳がありません。さらに高級になりますが、サーロイン、リブロースもすき焼きで使用されるお肉ですので、この食べ方はマッチします。
意外に思うかもしれませんが、この焼きすき焼きに「だしと合わせたトロロ」を付けダレにする食べ方もおススメします。焼き方は上記と同様ですが、生卵の代わりにだしと合わせて、パラッと青海苔を散らしたトロロを付けダレにします。卵とは違った独特の味わいで、意外とさっぱりいただけます。肉の食べ方の広がりを感じていただけるので、意外性もありつつ、渾身のご提案です。ぜひ、試してみてください。
わさびで食べる[三角バラ、カイノミ]
寿司の大トロ同様、脂質のある肉の部位もわさびが合います。部位としては、いわゆるカルビと呼ばれる部位で、サシが入りやすく特上カルビとして提供される三角バラ、わき腹のあたりに位置し、貝のような形をしているカイノミあたりの部位になります。
「孤独のグルメ シーズン2」にも登場し、すっかり有名になった昔ながらの焼き肉店「平和苑」(中野区沼袋)の看板メニューに、わさびカルビがあります。オーダーするとまず、生わさびが運ばれてきます。生わさびをすりおろして待機していると、お肉が運ばれてきます。肉を網にのせ、片面が焼ける頃にすりおろしたわさびを肉にのせて、そのまま口に放り込みます。わさびの辛味が、カルビ肉の脂質を和らげてくれ、おいしくいただけます。脂質の多い、ロースもわさびには合います。
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