オーストラリア産の牛肉は安全と言えるのか

ホルモン使用を巡るスタンスが米国とは違う

前回の記事では米国産牛肉のほとんどに「肥育ホルモン剤」が投与されていることをお伝えした。今回は、日本の輸入牛シェア1位のオージービーフに言及する(著者撮影)

前回の記事を多くの人に読んでいただいたようで、うれしいと思いつつも、反面、この連載を受け持ったことの責任の大きさを今さらながら痛感している。

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そして、まず前回の訂正をさせていただきたい。初出時にはタイトルにも本文中にも「成長ホルモン」と記載していたが、「肥育ホルモン」に改めさせていただいた。

つい、筆者の周りで日常的に使用する「成長ホルモン」という呼称をそのまま使用してしまった。コメント欄やツイートなどで「成長ホルモンは熱で不活性化するし、タンパク質だから消化吸収のプロセスで失活するはずだ」というコメントが多かった。確かに物質としての成長ホルモンはそうだ。しかし今回のテーマである成長(肥育)促進を目的としたホルモンはステロイドホルモンであり、熱に強く分解しにくい。

つまり「成長促進を目的とした肥育ホルモン剤」と書くべきところを「成長ホルモン」と書いてしまったことは誤記である。お詫びと共にここに訂正します。肥育ホルモンの詳細は、内閣府の「食品安全委員会のウェブサイト」に掲載されているファクトシートをご覧いただきたい。

前回記事で、肥育ホルモンで使用されるエストラジオールの残留について、米国産牛肉と国産牛肉の比較調査を実施した藤田博正先生(北海道対がん協会細胞診センター所長)に話を聞いた。

「肥育ホルモン剤の成分はステロイドホルモンであるため熱に強いので、ステーキに焼いた程度では分解されると考えられません。また消化吸収過程で代謝されることがないため、体内の受容体と結合することで効力を発揮しやすい。つまり経口摂取=食べることで、人体に影響を及ぼす可能性が高いものであると考えるべきです」

というお話だった。上記の食品安全委員会の文書にも記載されているように、使用量が適正で残留値が無視できる数値であれば問題はないだろう。しかし、実際には人体に影響がある数値以上の残留がある可能性がぬぐいきれない。それが問題なのである。

では、前回の最後に疑問として呈した内容について書いていく。

そのステーキは国産? それとも輸入?

日本で食べられている牛肉のうち、国産の牛肉の割合はどれくらいかご存じだろうか? スーパーの食肉売場を見ると、牛肉の棚にはサシの入った「和牛」か、比較的に赤身の多い「国産牛」という表示をされたパックが多く並び、端のほうにオーストラリア産や米国産の牛肉が、国産の牛肉より安い値段で並んでいることが多い。その状況を見れば多くの人が、国産牛肉のほうが多いと思うかもしれない。

しかし現実はそうではない。

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