「焼き肉」をめぐる次のブームはいったい何か

和牛の高騰や細分化はさらに進んでいく

ここ数年の焼き肉史を紹介します(写真 : june. / PIXTA)

焼き肉ブームはどこへ行くのか?

JRや東京メトロにつながる恵比寿駅(東京都渋谷区)から徒歩5分。2005年にオープンしたのが、黄色ののれんに真紅の文字で店名が書かれた「焼肉チャンピオン」です。「ミスジ」「ザブトン」「イチボ」「トウガラシ」等の希少部位をセールスポイントにした焼き肉店です。

部位の細分化による希少部位をセールスポイントとしたメニュー構成は焼肉チャンピオンが火付け役となり、全国に流行したと言っても過言ではありません。もちろん、それまでも牛一頭買いや牛枝肉を買い付けし、部位の細分化、希少部位をセールスポイントにする店は存在したはずですが、「焼肉チャンピオン」は東京、しかも大人に人気の街である恵比寿という好条件が整い、メディアにも取り上げられて露出され、希少部位が広まったのです。(参考:「熟成・希少部位・塊焼き 日本の宝・和牛の真髄を食らい尽くす」(講談社))

それまでの既存の焼き肉店は、「カルビ」「ロース」「タン」などのメニューが主流で、顧客ニーズに合致する必要部位だけを購入し、お店で切り分けて提供していました。ところが一頭買いや牛枝肉で提供する店が増加し、徐々に希少部位も提供するようになりました。

牛枝肉のカルビ、ロース以外を希少部位とし、牛全体の数%しか取れない希少性のアピールと、実際のおいしさで、需要が高まり、高価格帯販売が可能になりました。高価格帯で販売できるので、お店側も部位の説明、食べ方、焼き方を指南するようになり、さらに希少部位を含めた肉のコースを構成して提供することも始めたのです。希少部位の存在が、焼き肉自体の形を変え、価値を高めていきました。

今回はこの部位の細分化、希少部位化から始まったとも言えるここ数年の焼き肉史を紹介し、その傾向から次の焼き肉ムーブメントについて解説します。

次ページ部位細分化以降の焼き肉史
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