では、どうすれば夢を見つけられるのか。
「夢」とは渇望だ。たとえば、あなたが砂漠で迷い、灼熱の中、3日間1滴も水を飲めなかった状態を想像してほしい。あなたは心の底からコップ1杯の水を欲しがるだろう。それが夢だ。夢とは生理的に渇望するものだ。断たれたときに死ぬほどの苦痛を覚えるものだ。その点において、「夢」と「選択肢」は根本的に異なる。だから、無数の光の中からどれを目指すべきか迷ったとき、こう考えればよい。断たれたときに最もつらいものはどれか、と。僕にとってはそれが宇宙だった。 あなたにとって、それは何であろうか?
本連載では13回にわたってさんざん偉そうなことを書いてきた。だが、僕もあなたと同じく、まだ夢を目指す途上にある。僕は宇宙開発の歴史に名を残す大きな仕事がしたい。それが夢だ。
道のりは遠い。始まったばかりのJPLでの仕事はまだ不慣れで、必死にもがいている状態だ。宇宙開発の仕事といっても、日々の仕事は華やかでも夢にあふれているわけでもなく、しんどいことの連続である。
だが、どんなに仕事に忙殺されていても、夢を忘れず、夢を信じて、一歩一歩、その実現のために頑張っていきたい。あなたもぜひ、夢を見つけ、夢を信じて、一歩一歩、日々の勉強や研究や仕事を頑張ってほしい。
そして何十年後か、僕とあなたが夢をかなえたら、世界のどこかの飲み屋で、お互いの人生を振り返りながら、酒を飲み交わす日がきっと来るだろう。
(了)
※ 本連載筆者による書籍の刊行を予定しています。
僕が代表を務める米国大学院学生会が開催している留学説明会も、万人に留学を「布教」することが目的ではない。夢を持ち頑張っている留学生たちの体験談を聞いてもらうことで、海外に出るにせよそうでないにせよ、目標を高く持ち努力するモチベーションにしてほしいというのが、僕たちの願いである。今夏も7月、8月に北海道大学、東北大学、東京大学、東京工業大学を回る。留学を考えていない方も気軽に聞きに来てほしい。
http://gakuiryugaku.net/(ポスターデザイン:長野光希)
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