MITの卒業式、MITでの結婚式

賢く生きるよりも、楽しく生きたい

新世代リーダーは、政治経済の分野だけに求められているわけではない。科学技術の分野にも、フロンティアを切り開く人材が必要とされている。当連載では、 MITで航空宇宙工学の博士号を取り、今年の5月からNASAジェット推進研究所(JPL)で勤務する筆者が、宇宙への熱い思いを語る。

卒業式のことを英語ではcommencementという。直訳すれば「はじまり」という意味だ。一方、日本で「はじまり」の式である入学式は、アメリカの大学では行われないことが多い。入学試験のないアメリカの大学では、入ることよりも出ることのほうが断然に大変だ。だからおのずと卒業のほうが大きな意味を持つ。大変な苦労をして卒業をした後に、卒業式で気持ちを新たにして次のステップの「はじまり」に臨むのである。

アメリカでは「卒業」が持つ意味も幾分か異なる。日本では決められた年限で卒業する人が大半だ。一方、アメリカの大学、特に大学院では、卒業までにかかる年数は人によって大きな開きがある。学位が認められるための条件(単位数や研究業績)が満たされないかぎりは決して卒業が認められないからだ。大学院では「学年」の概念すらない。卒業する時期も1年のいつでもよい。

だが、卒業式は年に1回だ。ちょうど今の季節、5月から6月上旬が、アメリカの卒業式シーズンである。僕は2012年2月にPhD(博士号)を取得し、MITを去った。先の記事に書いたとおり、NASA JPLで2カ月間のインターンをした後、4月に日本に戻り、慶応大学に着任した。そして6月に休暇を取り、卒業式に出席するためにMITに戻った。

去ったときは真冬だったボストンは、さわやかな初夏を迎えていた。この街がいちばん美しい季節である。

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