お仕事、楽しんでいますか? 楽しいことばかりじゃないですよね。つらいときや苦しいとき、どうにもやる気の出ない日もあるでしょう。それでもなお、歯を食いしばって頑張り続けるのは、おカネのためですか? 違いますよね。東洋経済オンライン読者の皆さんは、きっとプロフェッショナルの自覚と誇りをもって、仕事を人生の道として日々歩んでいらっしゃることと思います。
日本人にかかれば、あらゆるものが道になります。仏道はもちろん、神道、武士道、茶道、華道、柔道、最近では金融道、果てはラーメン道など、社会の変化とともに「道」と称される分野の幅も広がっています。いつの時代も日本人が何かを極めようとすれば、そこに道が生まれるのです。
「道」とは何か
道元禅師は正法眼蔵でこうおっしゃっています。
仏道をならふといふは、自己をならふ也。自己をならふといふは、自己をわするるなり。自己をわするるといふは、万法に証せらるるなり。万法に証せらるるといふは、自己の身心および他己の身心をして脱落(とつらく)せしむるなり。
道とは何か。道元さんの言葉は、仏道を修める者だけでなく、ビジネスパーソンとしてプロフェッショナルの道を歩む者にも通じるところがあるのではないでしょうか。いかなる仕事であれ、その仕事をひたむきに追求することで、日本人は自己を見つめ、再発見し、成長を遂げるのです。
さて、禅宗の仏道における悟りのプロセスを表した『十牛図』という画があります。その名のとおり、「牛の図」が10枚描かれたものですが、面白いのは実際に牛の姿が図に表れるのは、途中の4枚のみです。ここにこの絵の意義深さがあります。実はこの絵は、牛を見失った牛飼いが、野に戻っていた牛を再び見つけ出し、牛とのかかわりの中で自己を見いだすというストーリーになっています。実はこの牛が、「真の自己」を象徴しています。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら