第4 得牛(牛をつかまえた)
―久しく離れていた牛を見つけ、捕まえる図
筋がよいと思われた新規事業でしたが、ふたを開けてみると思った以上に苦難も多く、立ち上げには予想以上の時間がかかってしまいました。部下の頑張りもあって、なんとか事業のスタートにこぎ着けることができましたが、始める前には予想もしなかったことが、毎日のように起こります。安定へ向けて新規事業を飼いならすのは大変で、上司や部下との激しい議論も日常茶飯事ですが、あなたは充実感を持った日々を過ごしています。
第5 牧牛(牛を飼い馴らす)
―つかまえた牛を、自分の思うように動いてくれるよう、飼いならす図
立ち上げから3年、新規事業もようやく軌道に乗り始めました。大口の契約も複数取れて、顧客からの信頼も高まってきていることを、あなたは実感します。収益も安定的に推移し、本社内でも成長事業の中核として皆から認められるようになってきました。部下もしっかり育ち、マネジメントチームは一丸となって生き生きと仕事に取り組んでいます。派生して生まれた次の新規事業は、以前の自分ように必死になることもなく、もはや飼いならされた牛を手際よく引く牛飼いのように、社内ベンチャーとして成功に導くことができます。
第6 騎牛帰家(牛に乗り、家へ帰る)
―飼いならした牛をわがものにして、家へ帰る図
気がつけばあなたは、もうずいぶん長い間、ビジネスの戦いの場に身を置いてきました。第一線こそ後進に譲りましたが、この業界のプロフェッショナルとして、もうどんな事業でも自由自在に操れる自信があります。また、リーダーとして人間的な成長も感じています。若い頃にあった自己主張やこだわりはだいぶ薄れて、自己を真摯に振り返ること、世界を大きな目で見ることができるようになりました。部下からも「丸くなりましたね」と言われます。人からは成功者と言われますが、心はもはや、無心の境地。
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