地震で怖いのは「重たい家具の転倒」だけじゃない《「本の落下」で30〜50代男性も犠牲に》死なないための対策とは

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
自宅の本棚
大地震が起きたとき、自宅に潜む危険とは?(写真:ワンセブン / PIXTA)
東日本大震災から15年というタイミングで、改めて見直したいのが大震災に備える各自の対策です。3〜4月は新生活が始まるシーズンでもあり、改めて目を向けてほしい家の中の防災対策について、全国で講演活動を行っているアウトドア防災ガイドで、兵庫県立大学大学院 減災復興政策研究科 博士後期課程在籍のあんどうりすさんが解説します。
本記事は前後編の後編です。前編はこちらから↓
「あなたの部屋は本当に安全?」——大地震では家具が凶器に《見落としがちなポイントとよくある7つの誤解》

「家具による死亡」実はよくわかっていなかった

家具の地震対策というと、多くの人は「重たい家具の転倒」を思い浮かべるのではないでしょうか。筆者自身も、最初はそう考えていました。

しかし、実際の死亡事例を調べていくと、最も多かった原因は家具の転倒ではありませんでした。それは、「本の落下」でした。

東京消防庁を含め、多くの家具対策は主に負傷者のデータをもとに構築されています。

一方で、阪神・淡路大震災から現在まで、

・何人が家具によって亡くなったのか
・どのような家具が原因だったのか
・どのような人が亡くなったのか

といった死亡事例の整理は、これまで十分に行われてきませんでした。

そこで筆者は、既存の死者統計、新聞報道、遺族の証言、各種資料を照合しながら、家具が関係した死亡事例を一つずつ確認する作業を行いました。

阪神・淡路大震災では、死因が十分に解明されていない事例も多いのですが、家具などが原因で33人が亡くなっていることを示した研究があります(生田ほか2005)。

その後の地震についても、確認できただけで15人が家具などに関連して亡くなっていました(なお、東日本大震災では溺水の中に家具による死亡が含まれている可能性もありますが、宮城・岩手・福島では死因の全体像が十分に判明していないため、本調査の対象からは除外しています)。

この記事の画像を見る(4枚)
次ページ落ちてきた本で胸や腹部が長時間圧迫される
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事