一口にインドといっても、地域差が大きい
――インドは広いので地域によってビジネスカルチャーも異なりませんか?
ゴヤルさん:異なります。地域によって言葉も食べる習慣も違うのです。たとえば使う油。北はベジタブルオイルやナッツオイル、東はマスタードオイル、南はココナッツオイルを使います。オイルが違うと食事の味がぐっと変わります。
インド人はベジタリアンが多いことで有名ですが、ベジタリアンは南に多いのです。人の雰囲気も、あえて言えば南は保守的で、北はアグレッシブ、アウトゴーイングです。ですから、進出する前に自社の特徴と行うビジネスと地域などが合うか、リサーチするべきでしょうね。南に進出する企業が多いのは、港があり、そこから各地へ輸送できるということもあります。
――場所によって宗教が異なり、ヒンドゥー教の人は牛肉、イスラム教は豚肉を食べないなどがありますよね。マナーも違いますか?
ゴヤルさん:北はスプーンを使って食べることが多く、南と東は手で食べることが多いです。
――自分が食べたものは「汚れたもの」として他の人とシェアはしないそうですね。
ゴヤルさん:家庭の中ではシェアすることもありますが、外ではしません。食べ物も人によって違うので、ベジタリアンかどうか聞いたほうがいいです。ベジタリアンでも卵などは食べるのではと思われることもあるのですが、卵も魚も食べないのです。アルコールもあまり飲みません。特に女性がお酒を飲むことはタブーとされています。
――ドライデーと言って、アルコールをまったく飲まない日があるそうですね。
ゴヤルさん:マハトマ・ガンジーの誕生日、10月2日などいくつかの日がお酒を飲まない日です。お店なども閉まってしまいます。もちろん家の中で飲むことはできますが、その日を尊重する意味では、飲まないほうがいいです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら