インドネシアでは上司に話しかけちゃダメ? 「報告・連絡・相談」も邪魔なだけ

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海外で働く基本は、「郷に入りては郷に従え」。だが、言うは易く、行うは難し。知らず知らずのうちに礼を失し、なぜだかビジネスがうまくいかない、という場面も多いだろう。
そこでこの連載では、各国の人々との付き合い方の秘訣を、外交、つまり「外国人とのお付き合い」「接待」のプロである各国の外交官に聞く。隣り合った国でも異なる習慣、作法を知り、その国にあった振る舞いができるようになれば、より海外進出の道も開けるに違いない。
連載第4回目は、日本企業の進出の歴史も長いインドネシア。相手に面と向かって本音を言わないのはタイなどと似ているが、インドネシアでは上下関係が何よりも重要であるなど、東南アジア各国でも習慣や作法は大きく異なる。インドネシア共和国大使館、バンバン スハルト公使参事官に、インドネシア人と付き合う際の秘訣を聞いた。

――インドネシアのビジネスにおいては、「上下関係」と「思いやり」が切り離せないと聞きます。これは、どういうことでしょうか?

スハルトさん:インドネシアは、上下関係にとても厳しい社会です。敬意を払わなくてはいけない人に対して、自分から話しかけたりしてその人の邪魔をすることは、失礼なことなのです。会話の最初のきっかけはいつも、目上の人や上司から始まります。自分からは話しかけないのです。

――インドネシアでは上司にはよい報告しかせず、問題が起こったときには上司に相談した方が早く解決する場合でも相談せず、同じぐらいのレベルのスタッフ同士で話し合いをし続けると聞きます。

Asal Bapak Senang(アサル・バパ・スナン)=Keeping father happy (ボスが喜ぶように)という言葉もあるそうですが、そのためでしょうか。

スハルトさん:はい、これは部下が問題を隠したいのではなく、上司に敬意を払っているのです。問題を自分たちから上司に報告することは、上司を邪魔することになります。問題があれば自分たちでできる限りのことをして、ボスの期待に応える。それがAsal Bapak Senangに含まれる意味です。

――日本では報・連・相(ほうれんそう)と言って、部下が情報を伝えてくることを期待しますが、それをインドネシアで期待するとコミュニケーションがうまくいかないのですね。

スハルトさん:そうです。部下から先に報告はしないのです。

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