日本で働いているときより金銭的には楽になる?
この連載の第1回では、多くの人が海外で働くという時代がやってくるということをお伝えしましたが、2013年の現在、すでに非常にたくさんの日本人が海外で働いています。
海外就職というと、どのような人を想像しますか?
日本の会社に就職し、社命によって駐在員として海外に単身赴任で飛ばされるジャパニーズサラリーマンでしょうか?
定年退職後、タイの工場で、日本で身に付けた自らの技術を現地の若者に伝承する、工場技術者のおじいちゃんでしょうか?
もしかしたら、月給5万円で中国のコールセンターに就職し、日本に帰るカネにも困っているという人が出ていたドキュメンタリー番組を思い出す方もいるかもしれません。
もちろん、上記のような人たちもたくさんいますが、今、20代の若者の中で増えているのが、インドネシア、タイ、マレーシアやベトナムの大都会で、現地の日系企業に就職するアジア現地採用です。
アジア現地採用で最も需要があるのが、日本で2~10年程度の職務経験のある若手から中堅の人材です。業種は、製造業の営業、工程管理、調達、物流、貿易や商社の営業、IT技術者、小売りの店舗運営などさまざまです。
そして、その給料は、国、業種、職務内容、年齢などによって異なりますが、一例としてインドネシア・ジャカルタで、20代の若者が製造業の営業職に就く際の相場が1800~2000ドル(18万~20万円)くらいです。
ジャカルタの物価は、最近上がってはいるものの、日本の2分の1から4分の1程度です(たとえば、コカコーラ500ミリリットルが70円、カップ麺が30円、チャーハン1皿が200円くらいです。※2013年4月現在のレートで計算)。
現地採用で働いている若者の多くは、コスと呼ばれるワンルームのサービスアパートに住んでいます。家具付きの小ぎれいなデザイナーズマンションといった趣で、電気、水道、ガス代込み、掃除、洗濯のサービス付きで、月3万~5万円程度の家賃で暮らしています。
また、ジャカルタは、公共交通機関が未発達なため、1人1台運転手付きの車が支給され、朝は自宅まで迎えに来て、夜は飲み屋への送迎までしてくれるような契約になる場合が多いです。
コスには安くておいしいインドネシア料理を出してくれるカフェがついています。街に出れば大戸屋やココイチ、吉野家といった日系の大手外食チェーン店があり、さまざまな日本料理も楽しめます。ダイソー、無印良品、ユニクロや、日本語が通じるクリニックもあり、不自由のない暮らしができます。