いよいよ「海外就職」の時代がやってくる アジアで続々と生まれる、新しい仕事

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就職氷河期と言われる昨今。だが、アジアに目を向ければ就職の可能性は大きく広がる(撮影:今井康一)
日本国内では、就職氷河期と言われる時代が続き、学生は就職にすさまじい苦労をしています。また、難関を突破して日本の企業に就職していても、現状に不満を抱いている、あるいは将来に展望を持てずに閉塞感にとらわれている人たちが少なくありません。しかし、日本の外に一歩出てみれば、圧倒的に人材が足りていない世界が開けています。
普通のサラリーマンのためのグローバル転職ガイド』の著者である、大石哲之氏と森山たつを氏は、「それに目を向けようとする若い人たちが少ないのは、不思議でならなかった」と言います。
この連載では、アジアでの人材需要が勃興する中、そこへ日本人がチャレンジすることが可能なのか、実際に日本人が就職できるのか、という観点で、本書の著者たちが、海外で働く際の多様な選択肢とステップアップの道筋を示していきます。

グローバル化で巻き返しを狙う日本企業

21世紀の今、日本企業が、日本人向けに、日本人だけで、日本人のための事業を日本でだけやっていくことに、限界が来ています。おそらく20年後には、「そんな時代があったんだ?」「そんなことでよくやって行けていたね」と驚かれる時代がくるでしょう。

日本企業の生き残りを懸けた海外展開が、真剣味を増しているのです。

長引く日本国内の不況、デフレ・少子化による消費の減退、日本の市場の環境がなかなか上向かない中、活路を求めて海外に進出する企業が後を絶ちません。

海外進出というと、一昔前までは、欧米≒海外でしたが、現在では海外≒中国≒アジアです。成長著しいアジアの経済の伸びを取り込もうと、多くの企業がアジアへの進出に血眼になっています。

日本企業はグローバル化に、一歩出遅れました。すでにグローバル化をしている欧米企業、そしてグローバル戦略で突き進む韓国勢に後れをとった日本企業が、今、巻き返しを図ろうと躍起になっています。

そこまでは、誰もが知っている話だと思いますが、企業が海外に進出していけば、次はどうなるのか。当然、その海外での仕事を行う、「人」が必要になります。

人もまた、海外へ進出していかねばならないのです。仕事が移動するに従い、人も移動します。そのため、今、アジア地域において、新規の人材の大きな需要があります。さまざまな仕事が生まれ、いろいろなポジションが出現しています。

外資系の企業もアジアを重視しており、さまざまな人材をアジア地域で雇っています。工場の労働者というレベルではなく、アジアでの戦略を考え、アジアでの事業を推進するようなマネジメント層の人材を、どんどんとアジア地域から雇っています。その中には日本人も含まれます。

今、日本国内の雇用市場は不況も不況で、就職に苦労している学生が多いですが、一歩、日本の外に目を向けてみれば、違う世界が開けている。違う可能性が開けている。これは雇用やキャリアにおいても同じというわけです。

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