一流の人間は、「負け」を転がしてカネにする 格闘家・青木真也「夢を語るのは詐欺師だ!」
夢を軽々しく口にするのは詐欺と同じ
僕は、夢はかなわないものだと考えている。
具体的な過程を描けない夢など、すぐに壁にぶち当たるだけ。むしろ、壁にすらぶつかれずに、あっさりと終わることのほうが多い。格闘技界には、「世界チャンピオンになる」という夢があふれ返っているが、ほとんどの場合が口だけだ。僕は世界のレベルを知っているからこそ、計画性もなく「世界」を語る選手を詐欺師と見ている。
夢なんてかなわないものだと思っているからこそ、僕は自分のキャリアを現実的に積み上げてきた。
ファイターが生涯戦える試合を40戦とするならば、1試合が40年間働くサラリーマンの1年分に当たる。僕は引退を35歳と設定し、そこから逆算し、年間いくら稼がないといけないか考え、ファイトマネーの交渉に臨んできた。
強敵に勝利すれば自分の価値は上がる。だが、毎試合、格上の選手とギリギリの勝負をするわけにはいかない。つねにリスクを冒していては単なるバカだ。いかにして自分の市場価値を守り、上げていくかを考えると、普段は冒険せず、相性のいい相手を選ぶことが大事になってくる。
その中で、5試合に1度くらい“勝負どころ”を見極めて博打を打つ。
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