日本人の的外れな「リベラルアーツ論」

リベラルアーツとは何か(上)

日本と欧米で教育システムが違っても、「それは文化の違いなのだから仕方ないではないか」という意見もある。しかし、経済学や心理学を文系、文学部の中に心理学科があるというようなことを続けていていいのだろうか?

現在、世界の高等教育は、共通化、統合化が進んでいる。これは、グローバル化による影響で、高等教育においてもグローバルスタンダード(世界基準)を決めないと、何よりも人材の評価ができなくなるからだ。

グローバル化が始まる前まで、教育は、各国が独自で国民に提供するものだった。しかし、グローバル化した今の世界では、各国が独自で教育をやり、そのプログラムに沿って学位を認定していては、そこで育つ人材には、当然、バラツキが出てしまう。そうすると、最も困るのは企業である。

学問体系は欧米にそろえるしかない

同じ「大学卒」といっても、アメリカの大学卒、日本の大学卒、中国の大学卒、フランスの大学卒では、どこがどう違うのか? たとえば、専攻が経済学としても、日米ではとらえ方が違うのに、同じ評価でいいのか? 心理学を学んだら日本では文系扱いになり、アメリカだと理系扱いになる――こうしたことがハッキリとしなければ、企業は人材を採用できない。国内だけでビジネスをしている企業は別として、グローバル展開している企業は特に困る。

そこで、各国の大学を比較して、その教育の質、レベルを測る「世界基準」が必要となった。現在、この動きは急速に進み、民間機関や国際機関を中心にしてガイドラインづくりが行われてきている。

たとえば、UNESCO(ユネスコ)やOECD(経済開発協力機構)などがその旗振り役となった「大学の国際的な認証評価制度」や「タイムズTHE-TR世界大学ランキング」などがある。

この大学ランキングで、日本の大学は総じて順位が低い。上位20校はほぼ欧米の大学が占めている。これは、日本の大学の教育レベルの問題もあるが、もっとも重要なのは教育自体が欧米とは異質だという点だ。要するに比較しようにも比較できないことが多すぎるということである。

つまり、グローバル化するなら、日本の教育のよさを残しつつ、学問体系だけは欧米にそろえるしかないと思う。

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