麻布中学の「ドラえもん問題」は何を意味する? 誰でもできる「お受験マネジメント」(下)

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外資系のトップコンサルタントがそのノウハウのすべてを子どもの「お受験」につぎ込んだらどうなるのか――。そんな壮大な”挑戦”をしたのが牧田幸裕氏だ。
現在は信州大学准教授の牧田氏、その経歴はド派手だ。京都大学大学院に1位で合格、その後は、外資系コンサルティング会社にトップで内定し、IBMでも4期連続最優秀インストラクターを獲得。だが、牧田氏自身は「決して自分は天才タイプではない」と語る。
ではどうやって「知のトップ」を走り続けることができたのか。その答えがビジネス、勉強の両方に通じる「得点力」と呼ばれるスキルにあると言う。「親として得点力は子供の受験に活かすことができる」。そう豪語する彼の“挑戦”は長男の最難関国立小学校合格という結果で幕を下ろした。
「得点力」とはいかなる力なのか。お受験におけるビジネススキルの有用性とは何なのか。牧田氏に話を聞いた。

インタビューの(上)はこちら

塾も親にコミットを求める時代に

――どれくらいの期間携わったのですか?

受験しようと決めたのが、試験の約半年前なので、合計180日間ほどですね。その間、週末は僕の時間を、子どもと遊びに出かけることを含め、全部使いましたし、平日も毎日1時間半くらい勉強やスポーツのサポートをしていました。当たり前ですが、お受験のマネジメントのほうが仕事のマネジメントよりうまくいかないことが多いです。

なので、180日のうち、僕はプランニングを130回ぐらい変えました。というか、変えざるをえませんでした。課せられたタスクも膨大だし、子供なので突然風邪を引いて、しばらく勉強できなくなるということもあります。

ただ、プロジェクトマネジメントの経験があると、別にあせることもなく、感情的になることもなく「よくあることだよな」と冷静に思えたのはよかったと思いますね。また、子どもと一緒の時間を共有できるのは子どもが小さいうちだけでしょう。私の父も大学教授だったのですが、私とよく遊んでくれ、それを私は誇りに思っています。同じようにできる限り、自分の時間を子どもに使いたいと考えています。

――具体的にどのような携わり方をしましたか?

家に、横180センチ、縦90センチのホワイトボードがあって、それを使って、普段は授業のサポートをしていました。塾でやればいいじゃないかと思われるかもしれませんが、私の子どもが通っていた塾では親のコミットメントが多く求められました。でもそれがあるから、親たちも意識高く持って、受験に取り組むようになりました。やはり一緒に問題を解くと、子供たちの力量というのがわかるようになります。どういったことが得意で、どこが苦手なのかというのがよくわかるんです。なので早いうちからコミットすることで、苦手な部分を潰せるようになるのはいいですね。

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