外資系のトップコンサルタントがそのノウハウのすべてを子どもの「お受験」につぎ込んだらどうなるのか――。そんな壮大な”挑戦”をしたのが牧田幸裕氏だ。
現在は信州大学准教授の牧田氏、その経歴はド派手だ。京都大学大学院に1位で合格、その後は、外資系コンサルティング会社にトップで内定し、IBMでも4期連続最優秀インストラクターを獲得。だが、牧田氏自身は「決して自分は天才タイプではない」と語る。
ではどうやって「知のトップ」を走り続けることができたのか。その答えがビジネス、勉強の両方に通じる「得点力」と呼ばれるスキルにあると言う。「親として得点力は子供の受験に活かすことができる」。そう豪語する彼の“挑戦”は長男の最難関国立小学校合格という結果で幕を下ろした。
「得点力」とはいかなる力なのか。お受験におけるビジネススキルの有用性とは何なのか。牧田氏に話を聞いた。
ビジネススキルはお受験にどう活きる?
――受験とマネジメントスキル。一見この2つのスキルは、無縁にも思えますが、本当に関係性があるのでしょうか。
ええ、ありますよ。子供の小学校受験に携わって、受験で必要とされるスキルは、ビジネススキルそのものだと思いました。
勉強という視点でいえば、よくわからない状況でどういう仮説を持つのかということが求められます。受験勉強は「知識詰め込み型」のイメージが強いかもしれませんが、今や、問題内容は大きく変わってきました。中学受験でいえば、名門と言われる開成も桜蔭も記述形式のものが大半で、かつてのように選択肢から選ぶものではなくなりました。
それに、純粋な知識だけを試すような問題が減ったせいで、塾では習ったこともない問題が出てきます。そうした「初見の問題」に対して、どのように対策を考えて処理していくのか、という力を学校側も試すようになってきています。そういう時に必要とされるのは、ビジネスパーソンが日々直面している「問題解決能力」に近いと思ったんです。
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